本来、オタクなんてモノはキモければキモいほど魅力的であるということ

 まぁ、結論はタイトルの通りなので根拠というか、今回は俺の主観的な論拠を語らせて欲しいんですけど。



 基本的に、俺はキモい奴が好きです。このキモいというのは、何か一つに情熱を注ぎ込んでそれ以外に何も興味がわかない、的な。そういう、言葉を選ばなければアスペチックな趣味全開な人間。そういうキモい奴が、俺は男女関わらず好きです。



 理由は、その方が面白いからです。それ以上でもそれ以下でもありません。



 なんなら、俺は陽キャ的な、もっと言えば内輪の話やノリや、後は個人の大した事ない武勇伝を聞くのがこの世で最も苦痛だと思っているので、バカバカしく、絶対に役に立たずとも、楽しそうに好きな話をしてくれる陰キャの方が好きです。



 もちろん、中にはオールラウンドにこなしてしまう完璧な陽キャも多く存在するので(なんなら、それが出来ない奴はキョロ)陰キャだから好き、陽キャだから嫌い、などという安易なカテゴライズで人を見ることなど絶対にしませんがね。



 ……さておき。



 例えば、アニオタだったら女の子のキャラにブヒブヒ言いまくって、聞いてもいないのに謎の解説を繰り広げてくれて、それに対して「ふうん」とか「ほぉん」とか適当な返事をするだけで無限に話してくれる人って、なんかかわいいじゃないですか。



 「こいつ、マジでそれしか人生でやってこなかったんだろうなぁ」と感じると、途端に愛くるしく感じます。当然、そのキモい奴には死ぬほど愛しているモノがあるというワケで、この世の理が「愛さなければ愛されない」なのであれば、必然的に何かを死ぬほど愛している奴を愛してしまう俺の思考は至極当然と言えるハズなのです。



 まぁ、要するに俺はかわいい人が好きという言い方が、このエッセイの論拠として正しいような気もしますけど。



 俺はどちらかと言えばお喋りが好きな方ですから、ずっと黙って聞いているというよりかは、「なぜ」と「なに」を訊ねて本人が気持ちよく講釈を垂れられるように気を使ったりします。もちろん、冷静になってみればきっと向こうも恥ずかしくなって、次回には大抵黙ってしまったりするのですが。それはそれでかわいいという、とにかくキモい奴はかわいいの方程式を次々に証明してくれて、あらゆる分野において器用貧乏の俺は、そういう奴に尽くしてあげたいなぁと感じるワケです。



 では、なぜ世の中のキモいオタク共は嫌われているのか。以下が、いわゆる本文ということになります。



 それは、下心が透けて見えるからです(ほとんどの場合は性欲ともいいます)。



 純粋な興味や情熱も、きっとちゃんと持っているのでしょう。しかし、ここにひとつまみでも下心を織り交ぜるだけであら不思議。非常に不気味で生理的に受け付けない、本当にキモ過ぎる愛せないキモオタが完成してしまうワケです。



 俺をやり玉に挙げるのであれば、好きだから書いて公開しているのではなく、有名になるために小説を書いていると宣言するようなモノです。多分、そんなことを言えば、どうせ偏屈で馴れ合いが嫌いで面倒くさい性格をしている俺の読者はスッパリ離れていってしまうと思います(というか、そういう目的で書いてる奴が面白いモノを書けた事例を俺は一つも知らない)。



 一途じゃないんですよね。



 アニオタだったらアニメに発情して欲しいし、電車オタだったら電車に発情して欲しいし、文学オタだったら文学に発情して欲しいんですよ。それなのに、その裏側にある異性の影に発情したり、或いは権威や富に媚びているようなイメージを抱くと、途端にそいつの講釈からイヤらしい上から目線を感じるワケです。



 果たして、お前が好きなのは本当にそのコンテンツなのかと。そのコンテンツを知っている自分が好きなだけじゃないのかと。そういうふうに感じてしまうことが、キモオタが嫌われてしまう理由なんじゃないかと俺は思っているワケです。



 例えば、Vチューバーっているじゃないですか。そして、それのオタクもいるじゃないですか。



 Vチューバーオタクってのは、きっとアイドルオタクと似たようなモノなんだと思います。あの人たちのセールスやパッケージはどう見たって応援させることに特化していますし、そこに本人と触れ合えるサービスを加えて莫大な利益を生んでいるワケですし。



 秋元プロデュースといいますか、AKB商法といいますか。とにかく、傍から見ているとそういう感想を抱きますし、だから頑張っているVチューバーを応援したくて人が集まっているんだと思います。



 ここまではいいんです。ここで止まっているオタクはかわいいんです。



 しかし、誤解を恐れずに言うのなら、Vチューバーオタクの多くは配信画面に映っているキャラクターではなく、その奥にいる声優(中の人?)に対して性欲を抱えているように思います。インターネットキャバクラだと揶揄される理由も、きっとここに集約されているように思います。



 だから、「自分は他と違う」と根拠の無い自信を抱え、コメントに気色の悪い長文を書き込み、そして事務所に対して多額のスーパーチャットを送るんだと思います(そうじゃないVチューバーオタクの人はごめんね)。



 まぁ、「そんなの個人の勝手だ」だの「お前は何様なんだ」だの、そう宣う人も出てくると思うので先に言っておきますが、それが勝手なら俺のような酔狂な人間がこうしてキモい人間に対する所感を文字に綴ることも自由でしょう。



 ハッキリ言いますが、俺は外様です。



 自分だけ好き勝手に世間へキモさを振りまいておきながら、他人が自分をキモいと発言することは許せない。そんなダブスタはないでしょう。あらゆる物事に当てはまる事実だとは思いますが、自由というのは批判する人間の自由を認めることであると自覚しておいてください。



 閑話休題。



 勘違いしないで欲しいのですが、これは例えば、天文サークルだのお料理サークルだの、そういうコミュニティにおいてもまったく同じことが言えます。星を見ることや料理を作ることが目的ではなく、それを手段として用いることは相当にキモいと感じる人間は、ひょっとして多く存在しているのではないでしょうか。



 更に踏み込んで言えば、モテるために料理を学ぶこと。これは、とても素晴らしい動機と自己研鑽だと思います。でも、その料理サークルに出会いを求めていくことは不純です。個人的にはキモ過ぎると感じますし、そういう人間は絶対に料理上手にはなれないと思います。



 そのサークルに好きな異性がいるから入るワケではなく、そこにいる不特定の誰かとワンチャンを狙う。ここが下心であり、性欲であり、最もキモがられる汚らわしい部分なのです。



 いいですか?



 つまるところ、そういう人間はオタクじゃなくてキモいだけのただの人なんです。突き詰めた結果キモくなったワケではなく、最初からキモい奴が知ってることだけくっちゃべってるワケですから、そりゃキモ過ぎるよねって話です。



 なので、もしもあなたがオタクなら、せめてコンテンツに対しては誠実でいましょう。異性を口説くのであれば、コンテンツを裏切らない方法を選びましょう。



 今回は、どういうワケか最近よくオタクがキモくてキツいという意見を見る機会に出くわしたので、俺なりの解釈の話をしたまでです。



 よしなに。



 もちろん、こういうことを語ってしまう俺は死ぬほどキモくてかわいげのない人間なワケなので、「だったら代替案をよこせカス」などと口説き方を聞かれても困ってしまうのですが。



 それでも一つ言うのなら、上記のことを恋愛に当てはめれば、死ぬほど好きで仕方ない、一途で、いい意味でキモい言葉を真剣に語っていれば良い結果が手に入ったりするんじゃないでしょうか。



 まぁ、知りませんけどね。

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