陰キャであることもまた個性である
またしてもタイトルですべてを伝えてしまっているので、別に本文で言うべきことなんて本来はまったくないのですが。それだとツイッターで事足りてしまう文章になってしまうので、少しだけ考えを述べさせてもらいましょう。
こんにちは、キモキモ講釈のお時間です。
諸説ありますが、陰キャというのは後ろ向きで卑屈で自虐的というか。とにかく、性格が暗くて自己肯定感の低い人間のことをさす言葉であるようです。オタクとかチー牛とか、そういう要素は陰キャに付随しているだけであって、陰キャという言葉の本質ではないというワケです。
それにしても、なんともまぁ親近感の湧く特徴だと思ったら、概ね俺のことでした。後ろ向きで卑屈で自虐的。実にピッタリな表現であります。
しかしながら。
俺は、別に暗い人間が嫌いではありません。そもそも、俺はその場のノリみたいなモノを重要視していないので、俺みたいな価値観の奴からすれば暗い人間には嫌う要素が無いと言うのが妥当なのです。
つまり、陰キャが嫌いな人はその場のノリみたいなモノに重きをおいて生きているということです。善い悪いはこの際抜きにして、自分が傷つかないためにも距離を開け棲み分けをキッチリしていきましょう。
とはいえ。
普通に会社で働いたり学校に行ったりしていると、一年に何度かはそういうシーンを生きる場面が生まれるワケで。ならば、普段からちゃんと準備しておいてキモがられないうように気を付ければなりません。
もちろん、嫌われることが苦にならないというのであれば構いやしませんが。せっかくなので、嫌われることが嫌いだった昔の俺がどうやって生き延びたのかという話でもします。
要するに、語れることのない陰キャは自虐や陰口するくらいしかコミュニケーションの術がないせいでキモがられるワケで。他人が関心を持つような話題や知識をストックしておけば、実はあまりキモがられることもないワケですよ。
これ、俺の長い陰キャのキャリアで導き出した陰キャ流のコミュニケーション方法です。その場のノリにはついていけないのなら、とりあえずニコニコしておいて、なにか求められた時用に会話の文脈から自然に繋がる簡単な比喩のツッコミだの程よい相槌だのを絞っておく、と。
……まぁ、ここまで面倒くさいことをしなければいけないなら人付き合いなんてしたくないし、実際に俺もそう思ってるからボッチをやってるワケですけど。
人間というのは、どうしたって社会的な生き物ですから。社会的な失敗を得てしまえば、少しくらいは苛立ちを覚えてしまいます。そして、その苛立ちを他人に向けるか自分に向けるか、というマインドが厄介と無害の線引になるワケです。
つまり、こういった努力(普通の人間からすれば努力とも呼べない些事である事実は忘れないこと)をしていれば、ちゃんと自責を覚え少しずつ大人へ向かえるワケです。逆に言えば、ここで誰かのせいにして反省せず痛々しい妄想に逃げ込めば、未成熟な陰キャが出来上がってしまうのですよ。
もちろん、俺は自分が成熟した大人の男だとはあまり思っていませんが。それでも、無害性という観点から見ればある程度の社会性は身につけられたのかなと思います。
……え?
この説教パートはなんだ? ですって? いつになったらタイトルの話をするんだ? ですって?
なに言ってるんですか。まさに今、その個性が発揮されているところじゃないですか。
まさか君、陰キャが一人でひっそり暮らしている間、何も考えていないとでも思ってるんじゃないですか?
そんなワケないじゃないですか。
いいですか? 陰キャというのは、思考力に長けた生き物なんです。
別に、知識が詰まっているだとか情報の整合性が取れているとか、そういう要素もまたオタクやチー牛のような些事であって。とにもかくにも、陰キャはひたすらに考える力が発達しているモノなのです。善や悪は置いておいて、思い込むための思考を生み出す力があるという話なのです。
考えてもみてください。
周囲にキモがられるほどに膨れ上がってしまった被害妄想や、明らかに現実と乖離している異性の認知など、その考え方は一体どこから生まれたのでしょうか。よく見りゃクソブスの陽キャが幾らでもいる中で、あなただけが自分の見た目を嫌いになった理由はなんでしょうか。
まさか、生まれた時からそんなふうに考えていたワケじゃないでしょう? 色んな失敗を得て、無力感に打ちひしがれて、けれど味方がいないから一人で考えて現実逃避を覚えて、そんなふうに考えるようになったのでしょう?
勝負に身を置かない現実に危機感持った方がいいだなんて当たり前の話、あなたはとっくに分かってるんでしょう? それでも目を逸らしてのうのうと生きていられるのは、その思考力によって心が救われているからでしょう?
一度は戦ったから、理由を考えてしまったから、それが心から苦しいんでしょう?
ならば、陰キャの個性とは思考力なワケです。これを読んでドキッとしてしまっているあなたは、あなたの持つ個性を充分に発揮しているワケなのですよ。
そして、その『ドキッ』を、もしも何かへの情熱へ変換できたのなら。きっと、陰キャの人生だって豊かになるんじゃないなぁと俺は思うワケです。
恐らく、このインターネット小説サイトという場所にはそんな人間が幾らでもいるでしょうし、俺もその一人です。
ですから、ちょっと行動してみた陰キャ共が恥をかいてるのを見て嘲笑うのが、読者諸君的にコストも掛からず丁度いい具合の娯楽になるんじゃないかなぁと思う次第でございます。
もちろん、あなたが本物の哲学的ゾンビなのだとすれば、こんな話は痰カス吐き捨てて踏みにじってくれて構いませんけどね。
そんなワケで、今回は『カメラを止めるな』みたいな構成のエッセイになってしまいましたが。こういうことを思っているということを発信出来たので満足です。
現場からは以上です。
痰カス 夏目くちびる @kuchiviru
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