第19眠 原因
次の日、川を沿って採掘現場まで行くためにあの川を目指して歩いていた。試してみたいスキルがあったので歩いている途中で試してみることにした。
魔力探知発動!
商店街で魔力探知してみるといろんな反応があった。こうしてみてみると魔力はみんなにあるのだなと思った。魔力の大きい小さいはあれど、今通り過ぎた人全員に感じることができた。すると何やらおかしな反応があった。そちらを見てみると、なんとあの魚屋があったのだ。そしてその反応は店の前に陳列されていた魚からくるものだった。魚や肉からは、もう生きていないからだろうか魔力の反応がなかったのだが、この魚屋にあるいくつかの魚からは魔力を感じる。そしてその魔力からは、火のイメージが湧いてくるのだ。何が何だかわからなかったが、その魚屋へと向かった。
「よお、昨日の坊主じゃねえか。今日も買ってくれるのかい?」
「おじさん。昨日の魚おいしかったよ。それで、ちょっとこの魚について聞きたいんだけど」
そういって反応があった魚を指さす。
「この魚。買い取るから中身を見せてくれない?」
店主はいきなり何言ってるんだ?というような顔をしていたが、さばいてくれた。
「これは!?」
店主が驚いた声を上げた。
「これも中身があったまったみたいになってんのかよ」
やっぱりそうだ。
「そんでもってまたこの石だ」
石だって?
「中から石が出てきたの?」
「そう。これだよ。中身があったまってるやつは全部これが入ってんだ。いったい何なんだろうな」
手渡された石をもらう。それは黒い石なのだが所々赤いラインが入っている。魔力探知をしてみると、この石から赤い魔力が出ていることが分かった。
「これか!」
「なんかわかったのか?」
「うん。これでうまくいけば流行り病を治せるかも」
「ええ!本当か?」
「多分ね。お代はここに置いておくよ」
「お、おう」
ぼくは、一旦マルコさんの家へと向かってマルコさんに持っていた図鑑を見せながら話をすると、すぐにあるものを店から出してきてもらった。それはあの夢に出てきた花だ。『レインブルー』別名を『減魔花』というそうだ。それを2掴みほど手に取り錬金術のスキルを使うと、減魔ポーションが出来上がった。
「マルコさん。これを奥さんに飲ませてあげて」
「こ、これをですか?わかりました」
そういってマルコさんはポーションをもって奥の部屋へと消えていく。しばらくすると奥の部屋からマルコさんの大泣きしている声が聞こえてきた。そして、バタン!と扉があいたかと思うと、顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃなマルコさんがぼくに抱き着いてきたのだ。
「妻が!妻がぁ....げんぎになっだあ。ありがどうございまずぅぅぅ」
「マルコさん落ち着いて」
ぼくもうれしかった。効果があったのだ。
「どうして、治し方が分かったんです?」
「さっき魚屋に行ったら魔力のこもった石が魚の中に入っていて、それが悪さしてるんじゃないかと思ったんだよ。それでレインブルーは魔力を抑える効果がある花だって図鑑で見たことあったから試してみたんだ」
「そうだったんですね。いやあ、あなたはまた私の家族の命を救ってくれました。よし、こうしちゃおれん。ポーションが作れる者にこのレインブルーでポーションを作ってもらって、みんなの病気を治さなきゃいけませんね」
涙を拭いたマルコさんは立ち上がった。
「じゃあ、マルコさんにそっちは任せるよ」
「トムさんはなにを?」
「ぼくはこの石のを出している張本人たちに会いに行ってくるよ!」
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