異世界ドリーマー 〜レベリングは良い眠りから〜
暴食チキン
第1眠前半 異世界へ
ぼく、
幼なじみの
「よそ見して歩きやがって、竜士さんの服にお前の飲み物がかかってんじゃねえか」
「ごめんよ。クリーニング代を出すからゆるしてよ」
「おう、じゃあ5万もってこいよ」
そう言ったのは
「そ、そんなに出せないよ」
「竜士さんの服はそれくらいするってんだ。持ってこれねえってんならやっちまっていいですよね。竜士さん」
この小太りで舎弟気質の男は
「好きにしろ」
「許しが出たぜ。へっへっへ。すこし痛めつけりゃ、いうこと聞くだろ」
「や、やめ....」
「歯ァくいしばれえ!」
僕は言われた通り、歯を食いしばって目を閉じた。
「はあああ!?」
「な、なんだここは」
彼らの驚く声が聞こえてきて、僕は思わず目を開けた。そこには鎧を着た屈強な男たちやローブを着て何かを唱えている魔法使いのような人たちがいて、僕たちを囲んでいた。僕たちは魔法陣の上に立っていて唖然としている。
「せ、成功だ!」
その声を皮切りに周りから大歓声が上がった。
「これこれ、彼らを困らせておるぞ」
そう聞こえた方に目を移すと、白髪でローブを着たおじいさんが僕たちの前に出てきた。
「すまんのう、おぬしら。わしはこの国の王から異世界より勇者になりえる者を召喚してほしいと命を受けた召喚士じゃ。そして幾度の失敗を経ておぬしらが召喚されたというわけじゃ」
「な、なんだよそれ」
「ドッキリとかじゃねえのかよこれ」
シモンとケンが騒いでいる。
「お前ら騒ぐな」
リュウジが静かにそう言った。
「オレらがその勇者様ってわけか?じいさん」
「ほっほっほ。左様。正確には勇者候補じゃがな。おぬしら次第でまた召喚を行うかもしれん」
「そうかい」
リュウジはニヤッとうれしそうに笑った。
「では、もう少し説明させてもらうぞ。ここに集まっている者たちは、冒険者たちじゃ。おぬしら異世界からの者たちは強力なスキルをもって召喚されるから、そのスキル次第で自分たちのパーティに迎え入れようとしているのじゃ。では、おぬしらのスキルを確認しよう」
そういうと、人ごみの後ろから魔法使いたちが四角く切り出された石に美しい装飾が施された台座を運んできた。台座の上の方には水晶が半分埋まっている。
「これに両手をかざすことによって自分の持っているスキルを目覚めさせ、ステータスも確認できる。ではその背の高いおぬしからじゃ」
そういうとケンを指さした。
「お、おれ?」
驚きながらもリュウジに促され、台座の前に立ち、両手をかざした。すると、水晶の真上にゲームのステータス確認画面みたいなものが空中に映し出された。
「なんだこれ。ゲームみてぇだ」
ケンが驚きの声を上げる。ステータス画面を見ると、スキルの欄に「キングナックル」と書いてあった。
「おおおおお!」
大きな歓声が上がる。
「これはこれは。シンプルだがかなり強力なスキルが出ましたな。強力なパンチ力を持ち、身体能力も高い。鍛えれば、一瞬のうちに魔物を倒せるようになろうぞ」
「オレ、ボクシングやってから丁度いいや」
ケンは嬉しそうだ。
「うちのパーティに入ってくれ!」
「いいや、俺たちのパーティだ。こっちの方がランクが高いぜ」
大変な騒ぎになっている。それほど強力なスキルなのだろう。
「まあまて。全員終わってからでもよいじゃろう。次はおぬしじゃ」
そういってシモンを指す。
「よしおれか。リュウジさん、お先です」
「ああ」
シモンが台座の前に立つ。シモンにもケンと同じような画面が出る。そこには、「絶対要塞」と書かれてあった。
「ほおおお。これは、絶対的な防御を得ることのできるスキルではないか。レベルアップで、仲間にも恩恵がありそうじゃのう」
「うおおお。これでリュウジさんをお助けできそうだぜ」
「では次、そこの金髪のおぬしじゃ」
リュウジが指名され、ためらうことなく両手をかざす。ステータス画面には、「竜王」と書かれていた。
「おおおおおおおおお!」
今日一番の歓声が上がった。
「なんと、伝説のスキルが出てしまった。ドラゴンの力をその身に宿すことができるという。基本ステータスもかなり高いではないか」
「すげえ、力が湧いてきやがる」
しばらくその場は大騒ぎになっていた。
「すまんすまん。最後はおぬしじゃ」
「は、はい」
僕はドキドキしながら台座の前に立った。ほかの三人はすごいスキルだった。きっと僕にも....
両手を台座にかざす。ステータス画面があらわれた。そこに書かれてあったのは....
「
「こ、このスキルは!?」
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