『良好な関係とは』をよく学べる

 全体的に文章表現に妥協がなく、それでいて巧い。要所要所に難読な漢字が入るが、作者の頭の中でフィットする用語なのだろうと感じた。

 毒を起点として、毒物が軸に置かれつつも人物の変化を感じとれる良作だと感じ取れる。

 個人的には、賢いヒロインが魅せる土壇場の逆転や、知識で無双するようなカタルシスの解放を望んでいたが、そこは無かったように感じ取れる。
 人物の関係描写に力を入れた結果、『賢いヒロイン』というテーマが薄まってしまった感じだった。

 しかしながら、前述の通り人物の関係描写は非常に面白く、万人受けする内容なのは間違いないと感じた。