オカルトダイバー3 百鬼夜行

@windrain

プロローグ



「へえ、これが河童の皿か」


 桜子の髪を書き分けて、頭のてっぺん辺りにある小さな皿を見つけた俺は呟いた。それは米粒ほどの小さなもので、小さな円形ハゲに見えないこともなかった。


「それでね、甲羅はね」


 服を脱いで背中を見せようとした桜子に、

「あっ、そっちはもう見てるからいいよ」

俺はそう言って止めた。


 桜子はキョトンとしていたが、やがて思い当たったのか、頬を染めて言った。

「・・・そうか、あのときにね」


 俺は彼女を抱くたびに、彼女の背中を見ていたのだから。

 彼女の背骨にあるそれも、米粒ほどの大きさの宝石のようなものだった。


 なんとなくイチャイチャする流れになった俺たちは、一緒にお風呂に入ろうと風呂場に向かった。


 それを猫又のクロが、呆れたような表情で見ていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る