第19話 コッペリア Coppélia

バレエ『コッペリア』

Coppélia

曲:レオ・ドリーブ

振付:アルテュール・サン=レオン

初演:パリ・オペラ座 一八七〇年


登場人物

スワニルダ(村の娘)

フランツ(村の青年)

コッペリウス(からくり人形職人)

コッペリア(コッペリウスが作った自動人形)

§ 原作 §

E.T.A.ホフマンの「砂男」が原作といわれています。


(物語)

第一幕 ポーランドの農村

 スワニルダは村で人気の女の子。村の青年フランツの恋人です。

 この村にはからくり人形職人のコッペリウスという男が住んでいます。コッペリウスは変わり者で気難しく、村人たちから変人扱いされています。

 このコッペリウスの屋敷の窓際には、いつも本を読んでいる可愛らしい女の子コッペリアがいます。向かいに住んでいるスワニルダはコッペリアが自分を無視しているようで気に入りません。

 どこかスワニルダに似たコッペリアですが、フランツはこの女の子のことが気になっているようで、これにもスワニルダは内心穏やかではありませんでした。

 スワニルダはフランツにやきもちをやき喧嘩をしてしまいます。


 村では領主から村の教会に新しい鐘が贈られることを記念して祝祭が行われることになっていました。村人たちは全員招待されています。祭りの前日、スワニルダと友人も祝祭のため広場の飾りつけをしていました。

 コッペリウスが町に出かけたとき家の前に鍵が落ちているのを見つけたスワニルダと友人たち。

 好奇心旺盛なスワニルダたちは気になっている少女を探そうと、コッペリウスの屋敷に忍び込みます


第二幕 コッペリウスの屋敷

 コッペリウスの屋敷に忍び込んだスワニルダとその友人たち。薄暗い屋敷の中には不思議な人形がたくさんあります。そこでコッペリアが人形だったということに気が付きます。

 そこへコッペリウスが帰ってきます。忍び込んでいたみんなは見つかって怒られたり、逃げて行ったり、スワニルダは咄嗟とっさに物陰に隠れてしまいました。友人たちが逃げ帰ったあと、運悪く逃げそびれたスワニルダ。


 一方、コッペリアのことが気になっていたフランツもコッペリウスの屋敷に忍び込みます。

 フランツもコッペリウスに見つかり怒られますが、コッペリウスは魔法を使って、フランツの命を抜き取り、お気に入りの人形コッペリアに命を吹き込もうと考えます。コッペリウスは魔法を使って生きた人形を作ろうと考えていたのです。

 ワインに眠り薬を入れフランツを眠らせ、いよいよ計画を実行しようとしたとき、物陰に潜んでいたスワニルダがコッペリアになりすまし、コッペリウスをからかい悪戯いたずらをします。

 この騒ぎでフランツは目を覚まします。フランツは騒ぎの中で壊れた人形を見てコッペリアが人形であったことを知ります。

 そして、スワニルダと仲直りし一緒に屋敷を飛び出します。


第三幕 村の祭り

 仲直りしたスワニルダとフランツは村人たちに祝福され、めでたく結婚式を挙げます。

 そこへ人形を壊されたコッペリウスが怒鳴り込んでくるのですが、村長の取りなしと、二人の謝罪で機嫌を直し二人を祝福します。


 コッペリウスは幸せそうなスワニルダを見て自分の思いがかなったと悟ります。


~~~~~~

 これは人形のコッペリアがスワニルダに乗り移ったとかいうホラーじゃありませんよ。

 私的には、最後は幸せなスワニルダの姿に、コッペリウスが自分が本当に求めていたものを見つけたという感じだととらえています。


 コッペリアの演出についてはいくつかあります。ここではハッピーエンドの演出を書きましたが、他にも演出はあります。

 コッペリアが最後に人間になるという演出もあります。

 私的には一つの演出として、最後に村人たちが結婚式のお祝いとお祭りで楽しんでいる姿を見ながら、ひとり壊された大切な人形コッペリアをそばに立ち尽くして幕が下りるという演出も結構好きです。


※ちなみにコッペリア人形だけど登場人物?

……っていうところですが、これは演出にもよりますが……

人形なのですがリアル感を出すために人が人形役をする部分が多いと思います。

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