人は誰しも息抜きを欲しがる (彩葉視点)
実質0話みたいなものです
☆
私は”一ノ瀬 彩葉”アイドルグループ「STARS」でセンターを務めている。
「STARS」は今最も熱いアイドルといっても過言ではないだろう...
私はそんな輝ける場所が大好きだった。
でも私もずっとアイドルをやってきて、ほとんど休みがなかった日々に、疲れがたまっていた。
「マネージャー!」
「どうしたの彩葉ちゃん?」
「私高校生になりたいんです!」
「急にどうしたの!?」
「私がアイドル嫌いになったとかじゃないんですけど...普通の学生っぽいことしたいなって...」
「まぁそう言うことならこの私に任せなさい!所属アイドルの願いを叶えるのもマネージャーの仕事だから!」
「っ!ありがとうございます、マネージャー!」
いつも私の願いを叶えてくれる最高のマネージャーだ。
「ただ問題が一つ...」
「なんですか?」
「彩葉ちゃん勉強できます?」
「馬鹿にされてないですか!それ!」
「いやいや真面目な話ですよ?たとえ用意ができても受かんなかったら結局アイドルやるしかなくなっちゃうじゃないですか!?」
「そこのところは任せてください!しっかり勉強はやってきてますし、これからも怠るつもりはありません!」
いつアイドルができなくなってもいいように、勉強だけはしてたのが役に立つ時が来た...
「じゃあアイドル活動とかはどうするの?」
「別にしますけど...今までよりかは少なくなるかもしれません!」
中学は義務教育である、そのため程度休んでも卒業できるが、高校は単位を落とすとまずいから...
「だったら行きたい高校さえ言ってくれたら、こっちで手続きをするから」
「ありがとうございます!」
そうしてそれからはアイドルをしつつ勉強の量をどんどん増やしていった...
「うぅ、勉強とアイドルを両立させるのは難しいな...」
そんなことを言ってる間にもテストが終わった。
手ごたえ的には悪くなかったと思いたい...
そして発表当日...
「やった!不安だったけど受かった!」
結果は合格だった...
これでやっと休める時が来る...
「あれ「STARS」の一ノ瀬彩葉じゃないか!?」
ここでも「STARS」として見られちゃうのか...
「うーんあんまアイドルとして見られたくはないんだけどなぁ...」
私は「STARS」の一ノ瀬彩葉じゃなくて、高校生の一ノ瀬彩葉として見られたいんだけど、そううまくはいかないか...
そんな噂は、校内だけでなくネットを通じ全国へと広まってしまった...
「やっほー、君って、一ノ瀬彩葉ちゃんだよね?」
「はい、そうですよ」
「やっぱり!そうだと思ったんだ!」
いかにもギャルっていうような女子が話しかけてきた。
「本物ってこんなにかわいいんだね!テレビで見たときからずっと会いたいって思ってたんだよね!」
「ありがとうございます、でも私は今はアイドルじゃなくて、高校生なので...」
「ごっ...ごめん、確かにプライベートとかも欲しいよね...」
「はい、そのために高校に入学したので...」
「わかった!でも友達になろうよ!私まだ誰とも話せてなくて...」
「全然いいですよ!」
「私は”桜木 香菜”(さくらぎ かな)よろしくね!」
「まぁ知ってると思いますけど一ノ瀬彩葉です」
「その敬語いらない!同級生なんだし!」
「わかりました!」
「それを辞めてほしいの...」
「冗談!よろしく香菜ちゃん!」
「うん!よろしくね彩葉ちゃん!」
そうやって高校生活で初めて友達ができた...
「そういえばこれから入学式だけど...クラスとかってもう提示されてるの?」
「うん!私はもう見に行ったよ、ほらあっちのほう!」
「ありがと、香菜ちゃん私ちょっと見に行ってくるね!」
「私もいっしょに行くよ?」
「いや大丈夫だよ、あんな人だかりに2人で行くと抜け出せなくなりそうだし」
「それもそうだね!」
そうやって私はクラスを確認した...
「お、あったあった!」
私は4組の名簿に名前が書かれていた。
「香菜ちゃん戻ってきたよ!」
「彩葉ちゃんは何組だった?」
「4組だって」
「奇遇じゃん私も4組だよ!」
「じゃあクラスの中でも一緒に話そうね!」
「もっちろん!」
今日のところはクラス発表と入学式だけだった...
そして一ノ瀬彩葉の高校入学は大きな話題となるのであった...
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