無人島でボッチは流石に嫌!
しなしなはるな
序章
第1話 自然の空気は美味しいけど腹は膨れない
俺の名前は森山翔28歳、まだまだこれから働き盛りになる荘年だ。
大学を卒業して3年、子供のおもちゃを作って子供に夢を与えるというとてもやり甲斐のある仕事をしていた。
このおもちゃの会社は大企業で就職するのもかなり困難なことではあったが無事就職。
俺は妹の息子や娘を可愛がった。昔から子供が好きだったからな、将来はサッカーチームができるくらい…いや、サッカーの試合ができるくらい子供を作りたい。
有名大企業のおもちゃメーカーに就職した理由はやはりこれだ、かわいい甥や姪のために就職したのだ。
俺は28年間彼女ができた経験がないから少し焦り出した、自分で言うのはなんだが俺は男にはモテるんだよな。もちろん性の対象として。三十路に入ったらそういうのも視野に入れてもいいかもしれない、子供は里親になったり養子を取ればいいのだし。
とは言ってもやっぱり自分と血が繋がっている方が嬉しい、だが諦めるのも大切だ。
さて、そんな話はどうでもいい。もっとも重大な事件が起きているのだから。
「ここはどこだ」
いつも通り定時にしては少し遅くはなるが、ちょっとしたトラブルを解決してからの帰宅。俺は自宅に着いてしばらく子供向けのヒーロー番組を見ながら意識を落とした。癖でよく寝落ちをするからいつも通りだ。
目が覚めたら12話完結の30分番組が半数話進んでいた…というのが俺の日常なのだが。
見渡す限り木々が生い茂っている、これは夢なのか。俺は大きく自然の空気を吸う、柔らかい葉の香りがする。臭覚はある。頬をつねると痛い、痛覚もある。夢でないのかもしれない。
ところでここにある木々大きすぎじゃないか?通常なら170センチの人間3人くらいを縦に並べた位の高さだと思っていたが、その2〜3倍はある。すべて大きいそろそろ首が痛い。
あそこにある木にはりんごみたいな実がなっている。近くにりんごみたいな実が落ちていたのでそれを拾うが片手では掴めない。
探究心がある俺はその実を地面に置いたまま齧ろうと口にしたが滑る。ここで俺は遅くも色々な問題に気がつく。
現状、俺は裸。自分の下半身に付く立派だった息子を覗く。この木々などが大きかったわけじゃない、俺が小さく、幼くなってたのだ。
だから実を齧ろうとしても歯がないから齧れないのか。
だが、言葉は発せている気がするし、握力なども幼い子よりか大人に近い握力がある気がする。何せ片手の手の平でもあの実を持ち上げられそうだったのだから、まあ手が小さかったから掴めなかったけど。
これはいわゆる転生か、随分と意地悪だな。もっとも俺は異世界転生系には疎い、女児向けアニメの異世界系を見たくらいだけだ。
5人の小学生が魔法少女に変身するアニメ、あれは神作品だ。俺は5周くらい繰り返し見直ししたぞ。
そんなこと今はどうでもいい。このままではダメだ、腹も空くし野宿も危険な気がする。
俺は先に野宿する場所を決めて実を拾うことにした。もちろん実はそのまま食べられないから石かなんかを使ってすり潰して食べることにした。
野宿すると言っても雑草の上で1日を過ごすのは危険、魔物がいるかもしれない。
俺は大人が見ても見上げるくらい大きな大木を見つける。岩に石をぶつけて少し石を鋭利にして木に穴を掘る。俺は大木を住処にすることにした。
次は食べ物、水は今、考えなくてもいいだろう。瑞々しい実がたくさんなってるわけだしそこから水分を摂取する。
俺は平たい石を見つけ出しそれで実を潰す。現状歯が生え揃っていなく乳児に近い、今は果汁だけを楽しむことにした。
りんごみたいな実はやはりりんごだった。でも普通のりんごより数倍瑞々しく美味しかった。
住処、食料を探すだけで完全に日が暮れてしまう。俺は寂しく眠ることにした。
さて、色々な疑問が残っているが今は疲れを取るためにとにかく寝よう。
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