ミゼラブルアリーゼ

八草秋水

第1話 プロローグ

足の皮はボロボロで目の前も霞んで見える。服は、局部を隠す程度の布地しかなく自分の胸を見られぬようもはや枝の様に細い腕で覆うように隠し走るとも言えぬ速度で松明の火の灯りから逃げる。

夜の冷たさが四肢の感覚を鈍らせていく。

森の中を独り手負いの王女が逃げ惑う。弓を番えた狩人は、淡々と足を止めず探し出す。

そんな夜であるにも関わらず天は、狩人に力を貸すように満月が森の中を明るく照らす。もはや逃げる方法はないことを悟った。

天を仰ぎそして思う。

どうしてこうなったのだろうどうしてどうして、、、。

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