第701話

 エミリーに告白して恋人になり、キスまでしましたが…もちろん、それ以上の事はしてませんからね?


 したくない訳ではありませんが、節度を持ったお付き合いをしていければと思います。

 その先にそれ以上の事をする機会があるといいですね。


 しかし、それは今ではありません。宿でキス以上の事なんてしたら、イザベラさんに怒られそうですしね。


「イザベラさん、お邪魔しました」

 キスした後もしばらくは抱き締め合っていましたが、エミリーは一旦お帰りです。


「あら、もう帰るの?お昼食べて行くかと思ったのに」

 ああ、それもいいですねぇ…またいつか宿でお昼をご一緒したいものです。


「お昼要らないって言ってこなかったんですよぉ。今度はゆっくり出来る様に時間を取ってきますね」

 今日は本来なら宿に来る予定は無かったですもんね。突発的な出来事ですから、言って無くても仕方ないでしょう。


「エミリー、また後で」

 名残り惜しいですが、しばしお別れです…クラウディアさんの家で会うまでお元気で!


「はい、また後で」

 目が合うと微笑んでくれます。何でしょう?この可愛い生物は…人目が無ければまた抱き締めてるところでしたよ…


「…ミヤマさん、エミリーちゃんがやけに嬉しそうなんだけど?」

 エミリーが宿を出るとイザベラさんに聞かれちゃいました。


「何か嬉しい事でもあったんじゃないですかね?」

 例えば恋人が出来たとかね。


「まさか昼間っから如何わしい事なんてしてないわよね?」

 如何わしい事って、普段してる事よりアダルトな感じの事ですよね?

 さすがにそんな事はしてませんよ…したい気持ちならありますけどね。


「そんな事ができるほど部屋に居なかったでしょう?」

 私だって場所や時間は考えますよ…これでもTPOの分かる男なのです。


「それもそうね…で、ミヤマさんはお昼どうするの?」


「もちろん頂きますよ」

 クッキー一枚では、お腹は膨れませんからね。心は満たされましたけど。


「それじゃ持ってくるから、空いてるところに座って待っててね」

 お待ちしていますよ。さて、今日のお昼は何でしょうか?楽しみですねぇ。




「…何だい?やけに嬉しそうにしてるね」

 宿でお昼を食べてから、クラウディアさんの家に来ました。ハンバーグ定食、美味しかったですね。


「ええ、嬉しい事がありましたからね」

 具体的に言うと恋人が出来たんですよ。お相手はクラウディアさんもご存知エミリーですよ。


「あれかな?エミリーに告白して恋人になったとか」

 何で分かるんですか!…私ってそんなに分かりやすいですかねぇ?


「よく分かりましたねぇ…」

 クラウディアさんは嘘が分かるスキルをお持ちですが…まさか心を読めるスキルまでお持ちじゃありませんよね?そんなスキルがあるかは知りませんけど…


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