第9話

「遠距離攻撃と言えば弓ですかね?」


「あんちゃんは魔法は使う予定無いのかい?」

 魔法‼︎ どうなんでしょう?剣と魔法の世界に行くなら、使ってみたいのですが…


「神様、そこの所どうなってるんですか?」


「深山さんは使ってみたいですか?使ってみたいなら、後で魔法使えるようなスキルつけますよ?」


「是非お願いします」

 30歳まで童貞を守らなくても魔法使いになれるようです。さすが異世界。


「なら魔法の杖もいいんじゃねえか?あんちゃんレベル上げて鍛える気はあるんだろ?だったら弓だろうが杖だろうが使いこなせるようになるだろうよ。まあ、慣れはいるがな」

 杖による魔法攻撃ですか…。いいかもしれませんね。

 そう言えば地球で最後にしていたゲームのキャラクターも魔法使いで杖を武器にしてましたね。デイリーミッションの途中でしたが、それは今更どうでもいい事です。

 そうか…ゲームか…。あのゲームみたいな武器を異世界で使えたら面白いでしょうね。オーダーしてみましょう。


「神様、ゲームの話なんですけど…」




「なるほど〜、そのゲームの武器?…というか、ゲームのシステムを取り入れたいと」


「そういう事です」

 そのゲームはシューティング系の2DアクションRPGでした。

 システムの特徴と言えば…敵を倒すと武器のレベルが上がり、レベルアップ時には武器のスキルを選択する事が出来る。それにより攻撃に変化が出る事でしょうか。神様と田中さんにシステムの説明をしていきます。


「成長する武器か…面白えんじゃねえか?」

 ステージクリアするとリセットされちゃうんですけどね。


「戦闘が終わるとリセットされるんですけどね。リセットされたら今度はキャラクターがレベルアップします」

 ステージなんて概念、現実では無いでしょうから戦闘で説明してみましたけど伝わりますかね?


「キャラクターはあんちゃんの事だろ?戦闘中はあんちゃんのレベルアップは無いのか?」


「ゲームだと戦闘後ですね」


「戦闘が終わったタイミングをどこにするかは難しいから、リセットのタイミングは任意でいいかも。リセットした時に武器のレベルアップに使った経験値が深山さんに還元されるって形にしましょうか」


「いいですね。そんな感じでお願いします」


「あんちゃん、他に何かあるかい?」


「そうですね。武器にはレベルアップの他にも進化があって…」

 進化について説明した後は、進化の方法や進化時のボーナス、レベルアップ時のスキル選択方法、欲しい武器のスキル、武器の形などについて話し合いました。


「よし、これで後は作るだけだな」


「お願いします」


「待ってなあんちゃん、いい武器に仕上げてやるからな」


「田中さんちょっと待ってください、送っていきますよ」

 部屋を飛び出そうとする田中さんに神様が声を掛けました。


「行きますよ〜、ほいっ」

 2人とも消えてしまいました。


 置いてけぼりですか…そうですか…




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