詩 夢のように何も残らなかったから、きっと夢だった

仲仁へび(旧:離久)

詩 夢のように何も残らなかったから、きっと夢だった




「みんなきえた

 みんないなくなった

 まるでゆめのようだ」


 一人で生き残った

 一人になってしまった

 一人だと認めたくないから

 最初から一人だったのだと思い込もう


 あれは夢だった

 皆といたのは夢だった

 冒険したのは夢だった

 楽しい思い出も夢だった

 悲しい思いでも夢だった

 何かを共有していたのも夢だった


 みんな みんなが 夢だった

 後には何も残らなかった


 そうしないと 生きていけない

 この現実では 生きてはいけない



「ストーリー」

 トラックにはねられて異世界転移。

 右も左もわからないけれど、気の許せる仲間たちと共に冒険をした。

 たくさんの思い出を作って、でも強大な敵と出会って。

「すべてを夢にしてあげるわ」

 そして突然目が覚めた。

 そこは現実の、病院の、病室だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩 夢のように何も残らなかったから、きっと夢だった 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ