第11話ジェニー王女side
その日はヴァレリー公爵令嬢の誕生日だと聞いたわ。
フレッドは薔薇の花束を携えて彼女の誕生日パーティーに参加するとメイド達が話していたのを偶然聞いたのよ。
「それ本当?」
「はい。間違いありません」
「そう……」
誕生日パーティーを開いたところで誰が参加するというのかしら?だって彼女は大学でも孤立している筈よ?
「誰がパーティーに参加するか知っている?」
「はい、帝国の大使達を始め、各国の大使や関係者の方が出席するそうです」
「うちに国の大使も参加するの?」
「はい、外交関係者の殆どが参加すると聞いております」
「…………ふ~~ん」
それって友達がいないから政治家を集めてパーティーを開催するってこと?それにフレッドも参加するの?
バカみたい。
だって彼女は留学に来ている身でしょう?
それとも帝国の公爵令嬢だから皆が気を使って参加するって事?冗談じゃないわ。まるでうちの国が彼女に媚びを売っているみたいじゃない!
そうだ!
「今すぐフレッドを呼んでちょうだい」
「殿下!?」
「熱を出したと言って」
「な、なにを仰るのですか!?」
「いいから!」
「は、はい……」
フレッドを呼びつける。
フレッドはなんだかんだ言って私に甘いわ。幼馴染の気安さもあるし、それ以前に彼は私を妹のように思っている節がある。「寂しい」とでも言えば一日中だって一緒にいてくれる。誕生日パーティーに婚約者が参加しなければ彼女は赤っ恥をかくわ。エスコート役もいないなんてあり得ないでしょうし。ショックも大きいんじゃないかしら?もしかして部屋から出てこれないくらいにショックを受けるかもしれない。そう思うとワクワクしてきた。
なのに。
どうして?
何故、私がお父様達に怒られないといけないの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます