第10話ミレイ側妃side
おかしい。
一年近く経っても私は「正妃」になれてない。
なんで?夜会やパーティーに参加しても最近は無視される事が多いし……。これって新手の虐め?
おかしいのはそれだけじゃない。
それに、あの女。
帝国貴族なんてゲームに出てこなかった。
何者なのよ!?
これじゃあゲームのシナリオが滅茶苦茶よ!
どこでバクったんだろう?
やっぱり
だから『
でも、そう考えたら辻褄があう。
だって現に「ブランシュ」なんていう女がやって来た。
なのに……いつの間にかマデリーンが再登場してくるし。本当に訳わかんない。ああもう! こんな事ならもっとちゃんとシナリオの裏設定を確認しておくべきだった!!
折角、好きな
今更後悔しても仕方がない。
とにかく今は、この逆境を乗り越えるしかないんだもの。
大丈夫よ。だって私はヒロインだもの。
覚醒したのが王太子と出会った時だった。まさに乙女ゲーム開始の瞬間にね。そこからはトントン拍子だったのに。
私は
「愛している。結婚しようミレイ」
「嬉しい!」
城のバルコニーでのプロポーズ。
この場面が私のお気に入りの場面でもあった。
王太子に抱きしめられながら、早くも次のシーンを思い描いていた。プロポーズの後は盛大な結婚式のシーン。民衆に盛大に祝われて幸せなお妃様になる場面。ああ!今から楽しみ!やっぱりハッピーエンドの締めくくりは結婚式よね!!
期待を膨らませたラストシーン。
そうして始まる第二部への始まり。
私はワクワクが止まらなかった。
なのに……これは何?なんなの?
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