アルク・ワールド
甘党七味
第1話 プロローグ
仕事を終えて帰宅し、直ぐに夕食を食べそのままお風呂へ、お風呂が好きなのでしっかり湯船を貼って浸かる、ここで疲れを癒すのが至高の一時そんな事を考えながら湯船に浸かり仕事の疲れを癒す、お風呂から上がりパソコンに向かってゲーム、帰宅からゲームまでが彼、
本来ならいつもの様にゲームをするのだが、いつもやっているゲームが今日は1日中メンテナンスを行うらしくいつもやっているゲームができず、仕方なく面白いゲームがないかネットサーフィンをしながら探す。
「………お!面白そうなゲーム見っけ!」
見つけたのは少し大きめな広告のバナーだった。
表示されているのは、様々な種族がお互いに剣や魔法で戦っている姿に大きな文字で「新たなる世界へ」と書かれている。
普段なら面白いと感じないようなゲームの広告だったがなぜかこの時は深夜のテンションも相まって広告をクリックしてしっまた。
開いたのは先ほどのバナーと同じ「新たなる世界へ」の文字の下に戦士や魔法使い等のゲームの定番の職業、一番下にはでかでかと「スタート」のボタンがある。
職業を軽く読み飛ばし「スタート」ボタンをクリックする。
クリックした瞬間、「本当に旅立ちますか?」とメッセージが現れる。
なにも考えずに「Yes」をクリック、今度は「本当に?」とメッセージが現れる。
「……ん?」
今度も「Yes」をクリックすると「本当の本当に?」とメッセージが現れる。
「ゲームが始まってないのに随分と凝ってるな」
また、「Yes」をクリックすると今度は職業選択に進んだ、選択肢にあるのは戦士や魔法使い等の定番から野菜戦士やマウントといった色物と、多種多様で一番最後はランダムだった。
若干、野菜戦士に金髪になると強くなる人を思い浮かべたがきっと気のせいだろう。
そんな事を思い浮かべながら各職業を見ていくがどれも面白そうな為なかなか決まらず、ランダムにすることにした。
ランダムを押すとルーレットが現れぐるぐると回っている、やがてゆっくりと止まると「あなたの職業は<錬金術師>です」のメッセージが。
「錬金術師か~えっと……生産も戦闘もできる万能職ただし器用貧乏になりやすいか、まぁ何とかなるだろ」
自分の職業が決まり意気揚々と「次へ」をクリックした瞬間、画面から一気に光があふれ目の前が真っ白になった。
ゆっくりと光が収まり、恐る恐る目を開けてみると、そこは見慣れた自分の部屋ではなく、床も壁も天井も真っ白な体育館程の大きな部屋にいた。
「嘘だろ……!?」
直前まで自分の部屋にいたはずなのに、全く知らない異様な場所にいることに愕然としつつも辺りの様子を伺う、ここに居るのは自分だけではなく他の人も多く存在していた。周り人もこの状況を呑み込めずにいるが、自分も含めなぜか落ち着いている。
すると突如頭の中に男とも女ともとれる声が複数聞こえた。
『お前たちはゲームを選び、ゲームにえらばれた!』
『故に始まる、新たなる世界!』
『帰りたくば、探し、満たせ!』
『我らは、楽しみに待っているぞ!』
一方的に聞こえた声が消えると共に、意識が遠のいていく。
♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦♢♦
ゆっくりと意識が覚醒していく、鼻に香る木の匂い、目がゆっくりと開き一言
「知らない天井だ」
そんなくだらないことを言いながらゆっくり辺りを見渡す、そこは十五畳程の広さの部屋にL型のキッチンスペースとシンプルなベッドが一つに、ベッドの横に机があり、部屋の出入り口の横に箱が置いてある。
机の上には、現代の技術では不可能なホログラムのパソコンらしきものがある、キーボードも同じくホログラムでマウスのみが実体を持てそこにある、ホログラムのモニターには「ようこそ<アルク・ワールド>へ」と表示されている。
気にはなるがいったん置いといて、キッチンに向かい食糧の確認をする。
水も食糧も問題なくある。食糧の確認ついでにコンロを確認してみたが火をつけることができたし水洗トイレとお風呂も確認できた。確認を終えて一息つき、問題のホログラムのパソコンの前についた、椅子に腰掛け唯一実体のあるマウスを軽く動かし画面をクリックすると動画が再生し始めた。
動画が終わったのを確認した
歩が今いる場所は<アルク・ワールド>と呼ばれる世界で、ゲームを選びゲームに選ばれた人はプレイヤーと呼ばれプレイヤーが増えたと同時に世界が広がり島が生成され島を一つ活動拠点として与えられる。
島から出るにはクエストをいくつかクリアしなければならないらしい、クエストは職業や島の環境によって内容が決まるらしく人によって千差万別。
<アルク・ワールド>は広告でみたように剣と魔法の世界らしく一部を除く現代兵器の類は世界の法則で機能しないようになっているようだ。
生産職の中には現代兵器を作れるようなものがあるらしく説明がされていた。
また、ロボットのような世界観を壊す様な物は作成そのものが出来なくなるそうだ。
いくつかのクエスト達成後に他プレイヤーと交流できる島が解放されるようだ。
最後に帰る条件は幾つかあり自分で条件を探し、その条件を満たすことで買えるかどうかの選択が出来るようになるらしい、ここはあの不思議な声が言っていた通りなのだろう。
ホログラムのモニターには<確認>のボタンが出ているの横目にじっくりと考える、はじめは混乱していたが、両親は既に他界し兄弟は居ない、妻はおろか恋人も居ない独り身の状況だ、元の世界の未練といえばゲームや漫画の続きが気になる程度だ。
他の人には申しわけないが、少しわくわくしている自分が存在する。
それに条件は不明だが、帰れないわけではないのだ。
今はまだ、軽い決意で大丈夫だろう。
ゆっくりと息を吐き深呼吸をする、そしてこの世界で生きる事を決意し<確認>のボタンを押す。
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