冴えないおっさんの恋

@naru333

第1話

俺は中小企業に勤めるおっさんだ。

そこで若い子に恋をして熱を上げて振られた話を聞いてくれ。


営業職である俺は仕事上、他部署に行く事が多い。

そこで出会ったのが、工事部の庶務の絵里ちゃんだ。髪の毛はポニーテールが

できるぐらい。胸は少し大きい、髪の色は少し明るい女の子だった。


付き合いが良い子だった。仕事を頼んでも笑顔でやってくれた。

何回か会社で会ってるうちに、ちょっとだけ冗談も言いあう関係になった。

下心はあるけどなるべく自然にご飯に誘ってみた。

「いつもありがとね。ご飯でもおごるよ。食べに行かない?」

絵里ちゃんは仕事の付き合いもあるのか断らなかった。


断られると半分くらいは思ってた俺は個室の居酒屋を予約した。

絵里ちゃんの私服はノースリーブの少し胸が強調された感じだった。

ノリの良い事もあり食事中は楽しく、最後まで笑っていた。

もちろん二次会などはなかったけど、それでも楽しい夜だった。

思い出したらチョロすぎるが、そこでもう絵里ちゃんの事好きになっていた。


ご飯は全部で4回行った。お酒を飲んで楽しく話す事がすごく楽しかった。

俺は誕生日だと言ってた絵里ちゃんに誕生日プレゼントを買った。高い物じゃない。

喜んでくれると思った。それを渡す時に告白するつもりだった。


絵里ちゃんの誕生日が過ぎて、ご飯に誘った。なんとなく誕生日に渡すのは

照れ臭かった。一応誕生日おめでとう言って乾杯した、いつものように楽しい

時間は過ぎて、そろそろかと思いさりげなく誕生日プレゼントを誕生日おめでとう

と渡した。


そこで初めて絵里ちゃんは少しだけ困った顔をした。

「えっと、ちょっと困ります。」

「いやいや誕生日プレゼントだから貰ってよ。高い物じゃないし。」

「お気持ちは嬉しいですが、、」受けとってくれなかった。


引き下がれない俺はやけくそ気味に言った。

「誕生日プレゼント受け取って欲しい。気持ちだし。」


「彼氏が出来たんです。誤解されたくないし。」


はやく言ってよ。っていうかまじかよ。めっちゃ恥ずかしいやん。

おっさんが若い子に振られるって。告白してないけど。言えなかったけど。

勝手に好きになって誕生日プレゼント渡そうとしたのは悪いけどさ。

誤解されたくないって何だよ。どっちの意味だよ。彼氏に疑われたくないのか、

俺がワンチャンあるかもって考えられたくないのか。

なんだよ。告白するチャンスもないのかよ。っていうかプレゼントぐらい

受け取ってくれよ。どうすんのよ。これ。おっさんが入浴剤セットなんか

使うのかよ。これなら気持ち悪くないかなって選んだのに。服は無理。知らんし。

かばんやネックレスも無理。高いし。化粧品も高いし。何を使うか分からんし。

お風呂で仕事の疲れを癒してねってカード書いたのに、手書きだと気持ち悪いから

パソコンで作ったのに。まじかよ。ここで振られるかぁ。いや告白してないけど。

良かったぁ。告白してなくて。ギリギリ耐えられるわ。これで告白してたら

明日から会社行けなかった。まじで。


「なんだ、彼氏できたなら早く言ってよー。」って言えたのは良かった。

「えー。会社の人に言ったのは俺さんが初めてですよ。」

そういうところだった。好きになってたのは。距離感おかしいでしょ。

こんなん。好きになるやん。おっさんもて遊び過ぎでしょ。


絵里ちゃんは結婚して、寿退職していった。

入浴剤は使った。入浴剤の匂いはおっさんには甘すぎた。































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