3.

「やめろ!」


スマホによる『写撃シャゲキ』の恐怖に耐えきれず、俺は思わず声を上げる。


「強迫による契約は、無効だからな!」

それを聞いて、真琴さんは キョトン とした顔をする。


「ふーん。じゃあさ、こういう条件を出したら、君は絶対に断れないと思うんだけど……どうかな?」

「えっ?どういうことだ?」


すると、愛生さんが俺の方を見て言う。


「私たちの誰かが、あなたを1カ月以内に落とせば入信する。そういう条件で勝負をしましょう? ネェ、したいでしょ」


……はぁ? この女は何を言い出すんだよ。


「おい、お前らはバカなのか?俺がお前らに惚れるわけがないだろ!!」

すると、ファザーさんは 妖艶な笑みを浮かべながら答える。


「あら、どうしてそう言い切れるのかしら? あなたは、今までに一度も恋をしたことがないの?」

「そ、そりゃ、俺だって初恋くらいはしたことあるけどさ……。それとこれとは話が別だろ!」

「あらあら、本当にそうなのかしらね♪」

「そうだよ!大体、お前は俺のことが好きなのかよ?」


「もちろん好きよ。愛していると言ってもいいかもね♪」

「はあっ!?」

「私は、あなたのことを初めて見た時から気になっていたの。その美しい黒髪も、透き通るような白い肌も、そして、宝石のように綺麗な瞳も全部大好き♪」

「…………///」


「ねぇ、朔也……私のことをもっと知りたくない?」

「べ、べつに……興味はない……かな」

「嘘つき。本当は私のことを知りたいくせに♪」

「ぐぬぅ……///」


「朔也くんって、意外に可愛い反応をするんだね♪」

「うるさいな……もう黙れよ」


「はいはい♪」

ファザーさんは クスッと笑いながら 俺を見つめてくる。


「それで、どうするの?この話を受けるの?受けないの?どっちにするの?」

真琴さんが俺に問いかけてくる。


「う、受けるわけないだろうが!」


俺は必死になって拒絶するが、ファザーさんの表情は変わらない。


「そう、残念ね。でも、あなたが私達から逃げられると思っているのかしら?」

「……どういう意味だ?」

「そのままの意味よ。あなたは、この教団に足を踏み入れた時点で終わりなのよ」


「……えっ?」


「あなたは 私達の『おもちゃ』になってしまったのよ」



「……は?」


ファザーさんの言葉を聞いた瞬間、全身の血がサーっと引いていくのを感じた。


「おい、ふざけんなよ!誰がお前らみたいな変態集団に負けるかよ!!」

怒りが込み上げてきた俺は、思わず怒鳴ってしまう。



しかし、ファザーさんは余裕そうな笑顔で答えた。


「ふ~ん。まあ、別にいいけどね~。ただ、その場合だと、君には罰ゲームを受けてもらうことになるけどいいかな~?」

「……ば、罰ゲームって何だよ?」


すると、ファザーさんはニヤリと笑い、俺と下着姿の彼女の写メを撮り始めた。


「ちょっ!?何してんだよ!?」

突然の出来事に、頭がパニック状態になる。


「はい、チーズ!」



――パシャリ!!



「おいっ!!やめろよ!」

「いいじゃんいいじゃん。減るもんじゃないし~♪」


「そういう問題じゃないだろ!」

「ほら、次はこっち向いて笑ってよ!」

愛生さんが 俺の手を引っ張った。


「嫌だ!! 絶対に写らないからな!」

「ちぇっ、つまんないの」


「つまらなくて結構だ!」


「はい。では、今度はこっちを向いて ポーズをとってください」

大和さんが 俺に向かってカメラを向ける。


「だから、絶対に断る!!」


すると、虹夜さんが 俺の腕を掴みながら言う。


「ダメよ イヤよ、も好意のうちって 美羽さまが言っていたわ! 言うことを聞かないなら、あなたのこと監禁するしかないわね?」


「ええええええええ!!!」



『信者獲得のため』なら 手段を択ばない……。


そんな彼女たちとの、教団内での共同生活が始まろうとしていた!


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