2章 第3話


 これ以上作るとマナを消費しすぎて戦えなくなりそうだからやめておく。


 回復薬は重傷者に飲ませる。

明らかに容体が良くなったのでみんな雰囲気が少し明るくなった。

痛み止めは重傷者の看病をしていた女性に預けておいた。


 一人の人がもっと作ってほしいと言ってきたが、断った。

命取りになりそうな要望はNOってはっきりと言ったほうがいい。

私しかいないんだ、私が判断しなきゃいけない・・・。


 次は万が一にでもゴブリンが屋上から入ってきたらどうするか

トニーやほかの人たちと話しておく。


 その後はお茶を飲んだり休憩しながらも建物の周囲にどのくらいゴブリンたちがいるかマナの気配から探っていたがなかなか把握できない。

多分10体以上には囲まれてると思うんだけど。窓の隙間やマナの気配やら音やらだけでは心もとない。


 正直こちらから屋上に上がることはできる。


・・・・。

・・・決めた。

トニーに行って屋上に出ることを伝える、トニーは強張った顔をしながら了解する。


屋上に通じる出窓の一つから狂気の疑似餌を投げて屋上に設置する。


 30分ほど待つと屋上にいたゴブリンたちが同士討ちを始めた。

そのすきをついて屋上のドアの前のバリケードを一気に動かして私だけ外に出る。

屋上を走りながらゴブリンが何匹いるのか確認する。


 意外と屋上には4匹しかいなかった。

しかももう一体は瀕死の状態で倒れている。


 争っているゴブリン2体の背後で争いに参加しようとしている個体を背後から殺傷する。一匹が気が付くがこっちに気を取られている間に狂気状態のゴブリンに棍棒で頭を砕かれた。

 

 最後の個体を私が倒す。

倒れていた瀕死のゴブリンにも止めをしておく。

屋上は一時的にだけど制圧できた。


 ゴブリンたちがどっから登って来たのか知りたいんだけど。

屋上周りを確認していってみる。

近くにあるスーパーの物置からこちらに飛びうつって来ていたみたいだ。


 もう9時を回ってる。もう外は暗いけど

スーパーマーケットの周囲にどのくらいゴブリンたちがいるか確認する。

たぶん10体いるか怪しいくらい。

ほかのゴブリンたちはどこへいった?



 それから、さらに2日過ぎた。

屋上ではたまに戦闘がおこる。


 昨日から数えて

もう6体ほどゴブリンを倒した。

6体とも自分でではなく他の戦闘できる人たちに止めを刺してもらっていた。



ウィッチクラフトでさらに魔女アイテムを作った。


回復薬 4

毒の玉 4

毒風船 2

狂気の疑似餌




 狂気の疑似餌は近づいて手に取ると発動する、手に取ると疑似餌がフラッシュして

その光をみると一定時間、敵味方区別できなくなる。


 毒の玉でゴブリンを毒で動けなくさせてから

自分が補助しながら止めを刺してもらう。

マナを吸収するようにイメージさせながら何匹も倒していればもしかしたら

自分のような力が得られるんじゃないかと思ったからだ。


 トニーがまたゴブリンに屋上で止めを刺したときに

突然ヨロヨロとしながらこっちへ来て親指をこっちに立ててきた!


やった!!


その後10時間以上トニーは眠っていた。


 彼は明け方前に起きてきた。

トニーは照れ臭そうに「たぶんちょっと強くなった、これからはもう少し役に立てるよ。」と報告してきた。




 トニーによると

ジョブらしきものは脳裏に浮かばなかったらしい。

そういう人もいるのかな?それともそれが普通?


トニーを観察していると

visionが発動する。


 射撃手 

それだけ出た。




 トニーに脳裏に浮かんだイメージを伝えるとなにか試してみたいというので

2人で屋上に出てみる。

ゴブリンアーチャーからの戦利品の弓矢を構えると

トニーの周りのマナが少し増えていてさらに今までより明らかに体を流れるマナの


 バランスが良くなっている。

30メーターほど先に一匹で徘徊していたゴブリンの頭を射抜く。


 そのままゴブリンは即死した。

おぉ!矢の威力も今までよりあるし、正確だ。

トニーも嬉しそうにしている!


 さらに3日すぎた、みんなここに缶詰でストレスが溜まりにたまっている。

些細なことで言い合いが増えてきている。


 何人かがここからもう出ようと提案する。

それに反対する人もいる。

みんなが言い争い始めた。




 一人が私に外がどの程度まで安全になってるのか確認してほしいと頼んできた。私は考えておくといった。

気に障ったようでかなり不機嫌な様子でぼそっと独り言のように強いだけで使えねーといわれた。

聞こえてますよ、この馬鹿男。頭に来るなぁ・・・


ふざけんな・・。


 近くにいたトニーがおい!とたしなめる

いったん冷静になろう。


 たしかにいつまでもここには居たくない。

だけどほかの住めそうなところよりは安全な拠点なのも事実。

もうあれから1週間近いのに助けが来ないんだよ。


 助けが来ないってことは・・・

そんなに楽観的に移動するのはまずいんじゃないのかな。

私が見てくるのはいいけど、ここ数日はあのショッピングモールで出会った男の人。

なぜか全裸だった人が見せてくれた、あの人が教えてくれた術。


 あの気配を隠す術を思い出して練習していた。


 最初の頃よりは結構良くなったと思うんだけど、まだあのレベルではないと思う。

むぅ・・・よし行ってみるか。




 みんなに外をできる限り偵察してくることを伝えた。

半日ごとに戻ってくるからもし戻ってこなかったら。何かあったと思ってと伝えた。

みんなの顔が強張る。


 作ったアイテムをみんなに分けた

私の分ももちろん持っていく。


ふぅ・・・、よし!


 ゴブリンたちは夕方から深夜3時くらいまで活発なことが多かった、といっても結構ランダムだったけど。でもそういう傾向があったんだ。


私は朝4時から昼くらいまでを偵察の時間に使おうと決めた。


 クラフトで新たに作った「魔女のグリーンティー」を水筒にいれて

深夜3時を少し回ったころで出発する。

その他のアイテムはバックパックに入ってる。


 まだ明け方前でもないから、さすがにまだ暗い。

練習してきたスニーキングテクニックを使いながら屋上から飛び降りる。

ゴブリンたちは人間と比べて

特別に目が利くわけじゃなさそうなのは幸いだった。




 さてこのスーパーにあった地図でここから8キロいったところに警察署があるのはわかってる。

そこで人と会えるかもしれないし、武器だってすこし入手できるかも。

施設が捨てられてたらそれこそ持っていっちゃえばいいしね。


 あとはとにかく他のグループの人間と情報交換したい。

政府とかメディア関係者とかいないかな。

あの時と同じでネットが機能してないんだよね。




 ゴブリンを道中に背後から何匹か始末した。

自分が泊まりに来た別荘のある森の近くまでくると天候が悪くなってきた・・・

もう!どうしよう・・戻ろうかな。

ここから走ってもスーパーより別荘のほうが近い。


よし、別荘に行ってみよう。


別荘につく前に雨が降り出した、結構強い雨。

5分ほど雨にさらされながらも別荘に到着する。

周りの家からは人の気配がない。生き残ってる人いるのかな?

来た時からそうだったから違いがわかりにくい。


別荘は荒らされた気配はないし、

外からも一応確認したけどこの辺りはゴブリンがでてないみたいだ。

別荘の中をひととおり見て安全を確認して体を濡れタオルで拭く。


電気は止まってるけど、水は通っていた。


はぁ・・・

一人になってようやく落ち着いた。

正直内向的だし、人とずっといるのは気が休まらなくてきつかった・・・。

頭を空っぽにしてベッドに寝そべる。


今午前5時半、まだまだ時間あるね。


ちょっとだけ眠ろうかな。





目覚めた、久しぶりに心から幸せだと思えるほどぐっすりと眠れた!

生き返るような気分。


眠りから覚めた余韻まで気持ちいいもんね。




-魔女レベル 3


魔女の呼吸 新米 → 一般的


この呼吸っていうのが多分マナにたいしてコントロールしたり変質させたりしてるスキルだよね。



-skill取得可能2




水魔法

呪術

アビリティ 使い魔 使役

アビリティ 魔眼




使い魔が欲しすぎる。

絶対欲しいもん。取ります。


それと魔眼

アビリティ「使い魔 使役」取得

アビリティ「魔眼」取得



アビリティもとれるんだ。




よし!

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