2章 第2話




スーパーの方面に向かって山を駆け下りていく。


スーパーにつくとまだ結構人がいる。

「みんな逃げて!」

人がぽかんとした顔で私をみる。

どう説明すればいいかも、逃げるのが本当に正解なのかもわからない。


なんていえばいいのわかんないよ!こんなの!

とにかく説明しないと!


「みんな!ゴブリンがでた!!山のほうからこっちに降りてくるかも!」

人々が唖然とした顔で再度こちらをみる。


「だ・か・ら!クマがでた!!!何匹も!!!」


これならわかるでしょ!


「クマが山のほうからきてる」

「子供が食べられてた!」


子供を探していた母親が叫ぶ!

すごく狂暴だからここにきたらすごい被害が出るかもしれないと伝える。


みんな車でここを離れたほうがいいと伝える。

すぐに離れた人もいたがここで働いている人たちや一部の人たちは離れない。


遠くからギャァギャァという声が聞こえた!

クマたちがくるよ!!!と大声で叫ぶ!


振り返るとゴブリンのアーチャーたちが弓矢を構えていて

スーパー駐車場にいた人たちに向かって数十の矢が降り注いだ。


4人くらいが一気に負傷した。

アーチャーたちが第二波の矢を放とうとしていたがその他のゴブリンたち10数匹が待たずにこちらに突っ込んできた。

体格は子供くらいだが身体能力は大人に近いほどある。


私もすぐに突っ込んできたゴブリンを一体ずつ、

杖をゴブリンの頭部に当ててマナを脳に通して破壊する。


確実にゴブリンを仕留めていく。

3匹ほど仕留めたあたりでコツがつかめてきた。

頭蓋骨を通り越して脳に破壊的なダメージがちゃんといきわたるように集中しながらやれば一撃死させれる。

もしそこまでいかなくともほぼ瀕死状態にまでもっていけるみたい。


ただ気を抜くと矢が怖い、ちょうど今も仲間のゴブリンに当たりそうなのも気にせずに私を狙って矢を打ってきた。

こいつらあんまり理性が利かないみたい。

ほんとに最低!


この場にいた多くの男の人たちは武器になりそうなものを見つけてきて

それぞれスーパーのなかに匿った戦えない人たちを守るようにして戦っている。

逃げ出した人もいるみたいだけど。


スーパーのシャッターが音を立てて下り始めた。

誰かがスーパーで籠城するために動いてくれてる!

私はここまででゴブリン型ノーマルのを4体、アーチャーを2体倒した、まだ5分もたってないだろう。

人が密集してるところで矢を防いだりもしないといけないからあんまり自由に動いて倒していくことができない!


見える範囲内でノーマルゴブリンあと14体にアーチャーが9体

残り23体か、大丈夫かな。

でもスーパーの中にある程度入って籠城してもらえれば私ももう少しやりやすくなる。


ただ省エネモードで戦わないとすごくきつい。

もう正直そこそこ疲れてきちゃってる。

・・・大丈夫かな、どうしよう・・・。


駐車場の裏手になにか見えた。


ゴブリンの増援40体以上・・・

スーパーのシャッターが下りてあとは最後の非常口のあたり

ほかの人たちが私に入るように言ってくれている。

ゴブリンの群れを外に出てどこか遠くまで誘導する自信は・・・無い。


2匹のゴブリンをさらに倒して急いで中に入る。


窓からも簡単には入ってこれないように生き残ったみんながバリケードを作ってくれてる。

そこからしばらくシャッターが叩かれたりしていたがだんだんと静かになっていった。


すごく強い眠気がおそってきた・・・・。

私は少し疲れたので仮眠をとらせてほしいと近くにいた人にいって建物の角のほうに座った。

みんな了承してくれた。

すごく眠い・・・


目が覚めた・・・

19時?

「やぁ、起きたみたいだね」

髭にポニーテール、それに眼鏡の作業服を着た、

背も高いけどオタクぽさもあるようなおじさんが話しかけてきた。

トニーというらしい


彼が色々と状況を説明してくれた。

私は1時間ほど眠っていたらしい。


スーパーの中には人が24名

大人20名

子供4名 男女2名ずつ

男性12名

女性8名


負傷者は4名

重傷者2名

その他重傷者3名いたが死亡。


男10名は戦えるみたい。

私の使ってた超能力はなにかとか聞かれた。

簡単にできる範囲内には説明した。


ふぅ・・・

天井が大きくドンドンと鳴った!


「あいつらだ、屋上に登ったやつらがいるらしい」

「いつからかわかる?」

「音がしだしたのは5分まえくらいだよ。」

「ゴブリンは殺した?」

「おれ?一匹は斧で頭をかち割ったから多分殺せたと思うけど」

「なにか力は感じる?」

「いや、特に超能力が使えるようになったとかはない。・・・すまん。」


トニーは私が最後の頼みの綱だからできる限り私が望む形で協力させてほしいと言ってきた。

しばらくは私がリーダーでいいかと聞くと

「もちろん!」だそうだ。


自信あんまりないな。

でもどうにかしないと。


とりあえずスーパーの中の素材を集めてウィッチクラフトを発動


このスーパーは結構いろいろそろっていて素材は良かった。

薬品類に、食材、お酒に、工具に調理道具もある。


意外といろんなものができたがこれ一回作る度にマナを結構消費する。

戦う前とかには使うもんじゃなさそうなんだけど。


とりあえず出来上がったのは

以下の通り。


魔女の痛み止め

回復薬

魔女のモロトフ

マジックカイト

毒消し

毒風船

ポイズンスモークトラップ


狂気の疑似餌

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