第7話
ヒト型はさらに口を大きく開けて至近距離で陸竜の頭部にあの弾丸を撃ち込む。
陸竜は一瞬だけ体が硬直したがノーダメージ。
ヒト型を陸竜の巨大な前腕が捉えた。
ヒト型は地面にものすごい力で叩きつけられバウンドする、
そのままもう一発巨大な前足でヒト型を叩く!
前足をたたいた反動で戻した直後に陸竜が首をのばしてヒト型に噛みついた。
何度も噛みつきなおしている。
もうヒト型はぐったりとして動いていない。
化け物同士の一騎打ちは陸竜の勝利に終わった。
ドォーン!!!!
ドォーォン!!!!
なんだ?
複数のヒト型が30メーターくらい陸竜から離れた場所の霧の中から現れた。
数は7体・・・
陸竜はヒト型のほうを向いて吠える。
高ぶっているのか霊気が歪んでいるように見える。
ディストーションをかけたみたいに。
陸竜が口にくわえていたヒト型を放り投げ、7体のヒト型に咆哮を浴びせる。
空気が振動する。
放り投げられたヒト型の体は俺のいる場所の隣の建物屋上に落ちた。
霊気をもらいたい。
移動して霊気を吸い始める。
やっぱりこいつ俺よりも強かった気がする。
吸ってみてなんとなく伝わってくる。気配を殺しつつじっくりと霊気を吸うことに集中する。
頭がジンジンする。
段々と今度は頭がグワングワンしてきた・・・。
霊気酔いとでもいおうか。
そのまま少し余韻に浸る。
力がみなぎっていることに気づく。
さっきまでの自分にもう共感できないような気分だ。
イメージが浮かんでくる
位階上昇
ヒューマン→ ハイ・ヒューマン 仙人
固有アビリティ 8つの世界
あれ?本当になにか聞こえた?
でもなんか本当に進化したような感覚がある・・・
ジョブ仙人レベル1
技能を一つ取得可能
技能・・・
頭に何か浮かんできた。
・忍び歩き
・呼吸法
・手品師の指
なんだ、これ・・・
どれか選ぶの?
技能、スキル・・・
えーと手品師すごい気になるけど、忍び歩きとかも無視できない。
こっちがいい気がするぞ・・・
でも無理だ!、どうしても手品師の指取得したい!
ていうか本当に取得とかできるのかよ?あまりにも虫のいい話。
疑ってしまう。
手品師の指を取得
あ、選択されたイメージが浮かんできた。
固有アビリティ8つの世界から祝福が送られます
そうなの?なにそれ
所有スキル、隠密モードに7の世界と8の世界からの祝福。
隠密モードはスキル「隠形」に進化。
所有スキル、霊気操作に1の世界、3の世界、4の世界、5の世界、8の世界、7の世界、6の世界からの祝福。
霊気操作は「仙人の呼吸」に進化します。
所有スキル、手品師の指に1と8の世界から共に祝福が与えられます。
また7の世界、3の世界、6の世界から1と8の世界の祝福に強化因子提供。
スキル手品師の指は「傀儡子の左手」に進化します。
・・・おぉ。ちょっと待て全然ついていけない。
おぉ、なんか隠形ってのもある。
それに他にもなんかあるけど。言葉がでてこないね。
とりあえず瞑想しよう・・・。
OK、あ、ちょっと待ってこれ
いきなり完全に使いこなせる感じでもない。
まぁ、当たり前か・・・。
瞬間
巨大な岩が地面に衝突したような重い音。
陸竜!そうだ、どうなってる?
陸竜がもうここにある最初のヒト型以外にまた一体のヒト型を倒した。
もう6体ほど殺したみたいだ。
あともう残り一体。
片腕に槍を持っている個体が残った。
しかし陸竜も相当弱っている。
だいぶ疲弊しているが最後のヒト型も動きが鈍い。
ちょっと待て隠形を使う。
今よりもっと気配がなくなる、いやどちらかというと溶け込む世界に同化しているような感覚といったほうがしっくりとくる。
仙人の呼吸、霊気の動きが今までよりずっと鮮明にみえる。
すごい今までとは全然違う。
ソフトウェアというよりハードウェアが変わったんじゃないかというくらいの違いを感じる。
陸竜の霊気の動きヒト型のもだ。手に取るように解る。
そして傀儡子の左手。
何も考えず、それを自然と実行した。
指先から細い金色とも銀色ともわからない糸をだす。
何も考えずに左手指先と指の腹の間あたりから出した煌めく細い傀儡糸を
そのままヒト型の頭部のほうへ飛ばす。
糸が接触するやいなやそのままヒト型をハックする。
・・・ヒト型傀儡化成功
ヒト型の意識の抵抗がほんの少しだけあったが殆ど気にならなかった。
残りのヒト型の体力などが自然と理解できる。
左手の指と傀儡が連動する。
なるほどな。
これ、傀儡を操作している間左手は他のことにはあまり使えないな。
ヒト型を傀儡子の左手で動かして代わりに陸竜と戦闘を再開する。
陸竜の攻撃をひらりと無駄のない動きでかわしていく。
さっきよりも明らかに動きがいいヒト型に陸竜が苛立つ。
このヒト型は片腕が槍のようになっている。
まず噛みつき攻撃の前の挙動を覚えた。
もう一度噛みついて来るまで待つ。
来なかった、予想してなかった挙動を一瞬見せる、このタイミングで尻尾で払おうとしてきた。
そのまま何度か攻撃を避け続ける。
そして・・・。
来た。
同じように避けるが今度は槍が目に届く距離になるように避けて槍で目を抉る。
陸竜の左目がつぶれた。
怒りとともにさらに激しい動きを見せながらも
すぐにもう一度同じような動きを見せた、さっきのように回避して目が有った箇所を今度はもっと深めに再度突く。
今までになかった動きをみせて一瞬のたうち回りしっぽが当たった衝撃でヒト型が吹っ飛ぶ。
ふぅ・・・
ヒト型の体力が残り少ない。
近くにあったヒト型の仲間の死骸をあちこちの建物に放り投げさせる。
一つの死骸に近づき霊気を吸い始める。
頭がクラクラする。
マルチタスクすぎる。
あせらずに、あせらずにやろう。
じっくりやればいい。
最後の死骸を傀儡化したヒト型に吸わせる。
抵抗がすこしあるけど問題ない。このヒト型は俺にもう降伏している。
主だと認めてるみたいだ。
完全に屈服しろ。そのほうがやりやすい。
OKが出た。
一気に操作感が上がった。
傀儡の霊気の吸収も良くなったし、俺がこのヒト型の死骸から得られる霊気の質まで良くなってる!
そうこうしてるうちに陸竜がどんどん攻勢を激しくしてきた、これ以上傀儡に吸わせてられない。
あんまり回復できなかったが仕方ない。
俺が持っているクモの槍に仙人の呼吸で練り上げた俺の霊気をまとわせる。
陸竜がヒト型をとらえようと集中している。傀儡に攻撃をかわさせることに集中させる。
陸竜が攻撃の前に残った右目で傀儡を睨みつけながら今まで以上に大きな咆哮を放った。
その瞬間。
建物屋上から陸竜の頭上まで跳躍する。
クモの槍を陸竜の左目の傷から脳にまできっちり届くように全力で突き入れた。
仙人の呼吸で槍の先にまとわせた霊気を爆発させる。
生々しい、破壊音が聞こえ陸竜は、そのまま動かなくなった。
大量の霊気が放出される。
陸竜の前に座り瞑想しながら霊気を吸う。
すごい霊気酔いだ、脳がグラングランするよ。
疲れたな。
傀儡は自分を守るように立っている。
仙人レベル3
取得可能スキル
・壁歩き
・怪力
・占い
・道具作り
この中から2つか
正直迷う、ていうか忍び歩きとかどこいった?
呼吸法もない、似たようなスキルあるから必要ないってことか?
それとも一度逃したらもう無理ってこと?
前者であることを祈りたい。
どうしよう、直観的には占いと道具制作が気になる。
というかこんな世界で生きていかなくちゃいけないなら、道具作りは喉から手が出るほど欲しい。
壁歩きは正直気になるけど、怪力もほしい。
直観で決めよう。
占いと道具制作だな。
・・・占い取得
・・・道具制作を取得
固有アビリティ8つの世界から祝福
まただ・・・
毎回良くしてくれんの?本気でいってる?
占い 1の世界と8の世界から祝福。6の世界協力。
占い アビリティ「幻視」に変化。
道具作りに5の世界と6の世界が祝福。
道具作り「宝具作成」に進化。
はぁ・・・
どうおもっていいものか。なにがなんやら。
強くなってるね、幸い。
それよりも本当に疲れた。
あ、まずい強烈な眠気が襲ってきた・・・
目の前のバーによろよろと入りそのままトイレのほうに入り便座に腰掛ける。
傀儡をトイレの前に立たせてそのまま落ちた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます