メスガキ学者はイケメン不死兵団と戦場を無双する。
かなたろー
第1話 裏切られた男。
「ぐっ!? バカな……」
戦場で、俺は突然背中を刺された。
俺は振り向いて背中を刺した人物を睨む。
そこには、同僚の槍使い、サカムーがいた。
「うはw 悪いなジンw 俺たちは北軍に就くことにしたんだww」
「なぜだ?」
答えたのは魔術師のキタムーだった。
「はぁ……わからないですか? この戦争、どう見たって南軍には勝ち目がないじゃないですか。僕たちは所詮は傭兵。となれば、負け戦に手を貸す義理はないでしょう?」
「そんな道理があるか!? 俺たちは、南軍将軍と直々に契約を……」
「うはw 俺はしてねぇw」
「はぁ……僕もしてませんね」
な? 俺たち3人は確かに南郡の将軍と契約を……まさか?
「はぁ……ようやく理解しましたか? 書面に名前が明記されてあるのはリーダーのあなただけです。つまり、僕たちは関係ありません」
「うはw そういうことww」
「そんな……」
ガックリとうなだれる俺を、サカムーとキタムーはヘラヘラと笑いながら見ている。屈辱だ。
「はぁ……そんな目で見つめないでください。僕も少しは悪いとおもっているんですから。その証拠に餞別を差し上げます! ファイアボール!!」
キタムーは、ため息をつきながら、俺の傷口に向かって呪文で造った炎をなげつけた。
「ぎゃああ!」
傷口が泣きただれて肉の焼ける嫌な匂いが立ち込める。激しい痛みで俺はたまらず地面をのたうち回る。
「うはw じゃあな、リーダー! おらぁww」
サカムーは俺の上にどっかと足を乗っけると、傷ぐりをぐりぐりと踏んづけた。
「ふはw せっかくだから、炎の消化はしてやったぜw」
「はぁ……サカムーは本当にお人好しですね。では、我々は新たな雇い主のもとに向かいましょうか」
「お前ら……まち……や……が……れ…………………………」
ズキン……ズキン……。
「全軍退け! 退けーーーーーーーー!」
だめだ、腹部の痛みで思考が定まらない。
すでに南軍の撤退戦が始まっている中、俺はその場にひとり取り残されてゆっくうううううりと気を失った。
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