第2話 夏子の想い(乙女バージョン)2

彼の机。

飲みかけのコップから結露した水が滲んでる。


私を部屋に招いて。


コーヒーが切れていたから。

ペットボトルのお茶を、氷入りのコップで。


貴方はすすめてくれました。


緊張して喉が渇いていたから。

ゴクゴクと飲んじゃったけど。


少し、恥ずかしかった。(笑)


貴方は一口、飲んだだけで。

コンビニにコーヒーを買いに行くって。


出ていきました。


ええぇー・・・?

彼の部屋に私、一人。


いいの?

本当に。


そんなに。

信用、されているのかなぁ?


まさか。

彼の秘密を探る気は毛頭、無いけど。


一人暮らしの男の子。

一般女子としては、興味深々なのでした。


でもでも。

我慢、我慢。


彼が留守だからこそ。

変なことはしたくないのです。


ジッと、待っていたら。

彼が残していった冷たいお茶のコップ。


結露した水が机を濡らしている。


だから。

キッチンに持って行って。


ついでに机の上を拭こうと思ったのです。


そしたら。

うっかり、手を滑らせて。


コップが転んで。

机にお茶が。


慌てて。

拭くものを探したけど。


見当たらないから。

ハンカチで拭こうとしました。


その時。

引出しが少し、隙間を作っていて。


咄嗟に中身を取り出して。

床に投げ出したんです。


その後。

私のハンカチで拭けるだけ拭いたけど。


限りがあるから。

キッチンで見つけた布巾で何とかしました。


落ち着いて床を見ると。

何冊かのノート。


何気に手に取ると。

「日記帳」と手書きの文字が。


ええぇー・・・。


ヤバイヤバイ。

ど、どうする?


私は心の中で葛藤しながら。

無意識にノートをめくっていました。

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