コロンブス・ディスカバリー
三十六計逃げるに如かず
第1話 コロンブス・ディスカバリー
-20XX年2月9日-
増川徹、25歳、正直言って今の生活に面白みなど一つもない。強いて言うならば、現場から帰宅した後のゲームだが、日中の重労働のせいで、プレイしていても、面白みがない。今日もいつもと同じ様な1日を送るのだろうと思っていた。
「今日は、9時ごろから雷雨となるため、傘を持ち歩くと良いでしょう。」
「続いては特集です。田中アナ。」
俺は、毎朝ニュースを見るようにしてる。一応、俺も一社会人だからだ。特に、この田中アナの特集が1日で俺が唯一笑える瞬間だ。
「はい。発売から1ヶ月にして、未だに在庫がないと言われる『コロンブス・ディスカバリー』について、私が取材に行って来ました。」
うっわ。最近ずっとFPSゲーやってるから、他のジャンル確認忘れてた〜。でも、在庫がないってことは、相当人気だよな。。。
俺は、売り残りがないとは思いながらもネットで調べた。
『コロンブス。。。・ディスカバリー』っと。
俺はテレビでゲームの名前を確認しながら検索エンジンに入力した。すると、検索の上位には、ゲームを開発した会社のホームページが出て来た。
『ライムゲーミング』
ライムか。だから、そんなに売れてるんだ。俺も、『ギャラウォー』とかやってたな。。。
俺は、下に画面をスクロールすると、
『コロンブス・ディスカバリー』の在庫あります!残り3つです!
俺は、そんなタイトルを見た瞬間に、無意識にサイトを開いていた。チラッと、スマホの右上を見ると8:01だった。
やっば、行かないと。
俺は、直ぐにテレビを切って作業服を着た。アパートから駅までパコパコと靴を鳴らしながら走った。
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ガチャ
俺は電気を付け、座敷に座り込んだ。10分程で、自分のパソコンを開き、FPSゲーを起動した。
コンコン
「宅急便でーす。」
あれ?俺何か頼んだっけ?
俺は直ぐに玄関に向かい、ドアを開けた。そこには、普通の宅配業者が段ボール箱を抱えていた。
「増川徹様ですね。」
「はい。」
「では、ここにサインして下さい。」
「はい。」
俺は、サイン欄に増川と書き、荷物を受け取った。俺は早速、箱を開けるとそこには、小さな紙が入っていた。
『コロンブス・ディスカバリー』説明書
ん?な、何で?俺、買ってないよね。。。
俺は、思うところがあって朝見たサイトを調べた。そのサイトはまだ残っていたが、内容が変わっていた。
『コロンブス・ディスカバリー』は完売いたしました。ご購入された方のご自宅には説明書を送ります。説明書内にはパスワードがありますので、そこからゲームをダウンロードしてください。
ダウンロード
↓
えっ、俺気付がない内に買っちゃってたの?!マジかよ。。。まぁ、届いたならやるしかないよな。
俺は、ダウンロードボタンを押した。するとパスワードを入力する欄が出た。
38Y46
これが、俺のパスワードだった。俺は番号をそのまま打ち込んだ。すると、突然ゲームが起動した。
ドーン
その瞬間、部屋中に光が走り、俺は記憶を失った。
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