スタンプー姫

スタンプー姫、オーロラちゃんのゴンドラに乗ってベネチアにやって来た。


うちに会うために。


「あやなっちー!結婚しようー!」

姫は、うちに会うなり、そう言ってきた。


「えーっ?結婚ー?」


「そうよっ!わたしは、あやなっちと結婚したいのー!」


「えーっ?結婚ー?」

うちは、同じ言葉しか返せない。


ゆなっちもくうりも


「えーっ?あやなっちとスタンプー姫、結婚するのーっ?」

って、驚いてる。


「そうです!わたしは、あやなっちと結婚するんです!」


「えーっ?結婚ー?」

うちは、同じ言葉しか返せない。


キッチンにいたママも出てきて


「あらあら、確かにお似合いのふたりですけどね...」


「そうでしょー?そうですよねー!わたしも、そう思うんですー!結婚するのは、宇宙であやなっちしかいないと...」


「えーっ?結婚ー?」

うちは、同じ言葉しか返せない。


「今すぐにではないですよね?」

って、ママも姫に聞いてくれている。


「はいっ!今すぐにってわけではないですけど...10年後には」


「えーっ?10年後にーっ?」

うちは、ちょっとだけ言葉を変えられた。



うちら3姉妹、ママ、スタンプー姫で、キッチンで料理を食べながら、話しあっている。

ママのカレーはいつも美味しい。


スタンプー姫も

「ママのカレーめっちゃ美味しいですねー!わたしも大好きになりましたー!」

って、めっちゃ喜んでくれてる。


「10年後にふたりは結婚するっていう約束...つまり婚約ってことになるのでしょうか?」

って、ママは姫に聞く。


「はいっ!そういうことですねっ!婚約ですねっ!」

スタンプー姫は身を乗り出して大声で言ってる。


「えーっ?婚約ーっ?」

うちは、スタンプー姫に聞いてみる。


「そうですよ!婚約です!」

当然のように、当然な顔をして、スタンプー姫は、うちを見つめて、言ってる。


「まあ、あやなっちの結婚相手は、たぶん地球にはいないだろうから、ちょうど良いのかも...」

って、ゆなっち、めっちゃ乗り気になってる。


くうりも

「スタンプー姫、可愛いから、あやなっちにぴったり」

って。



ママも


「そうですねー!キッテ星もきれいな良き星でしたし、わたしも好きになりましたし...」


「そうでしょー!」

スタンプー姫めっちゃ目を輝かせてる。


「でも結婚するとなると...スタンプー姫は地球に来られるのでしょうか?」

って、ママは聞く。


「いえ、わたしはキッテ星の姫ですから、あやなっちをキッテ星にお迎えすることになりますねっ!」

当然のことのように、キッパリと、スタンプー姫は答えてる。





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