リベンジドーム
@kobashiri000
第1話 速報:大人気アイドル脱退
退屈で窮屈なこの世では誰しも癒やしが必要だ、それは人それぞれ違い多種多様である。
もちろん俺にも癒やしが必要なわけで…
「ひなー!!!!!本当に何回見ても天使! キラキラ輝く笑顔!抜群のスタイル!キレキレのダンスにマーメイドのような歌声!マジ癒やし!!」
そう…俺の癒やしとは5人組アイドルグループ”STARS” の不動のセンター『ひな』
”STARS” は2年前に結成されたグループで、デビューから日は浅いが10代、20代に爆発的人気を誇っており、最近では海外からのファンも多い大人気… いや、まさにスターアイドルだ
その中でも俺最推しは、先程俺が大声で叫んでいた天使『ひな』 、彼女は抜群のルックスとダンスを武器にデビューしたものの最近では歌も上手くなりメンバーの中で 1、2を争うほどだ。まさになんでもできる最強アイドル!それが ひな.....
「しょーまー!!何やってるのー?早くしないと遅刻しちゃうわよー」
「やべ、朝活してたらもうこんな時間か」
楽しい時間は一瞬、慌てて着替え、歯を磨き、髪と身だしなみを整える、いつもと変わらない退屈で長い一日の始まりだ
朝7時、億劫な気持ちだが表情には出さない
なぜなら俺”
「おはよー」
「おっはー」
学校につくと挨拶の声で耳が埋まる
「おはよー翔真!」
「おう、
俺が教室に入ったとたん頭に響くほどバカでかい声で挨拶してきたこいつは毎日俺から課題の答えという名の密を吸う男 ”
もちろん学校では良い子ちゃんなため挨拶は欠かさない、一通りクラスメイトに挨拶を済ましたら自分の席につく
「しょうまー、そういえば今日って数学のプリント提出だったけ?」
「ったく、下手な芝居なんてしなくていいから正直に言えよ」
「しょうま様 一生で一度のお願いです!!プリント写させて!」
「そのセリフは聞き飽きた、たまには自分でやってこいよ! ほらよ」
「まじでありがとう!できるだけ自分でやることを検討するよ」
「お前の検討は世界一信用ならん」
そんな どこにでもあるような雑談をしてプリントの答えを見せる、正直たかが20分程度で終わるプリントだし自分でやればいいのにと思うが、まだなんの人生経験のない高校2年生に言われても治らないだろう
「ふう、今日も乗り切った!ありがとう しょうま」
「もう写し終わったのか、写すのはいいがいつかバチが当たっても知らんぞ」
「まー もしそうなったらその時考えれば大丈夫でしょ!ノリと勢いでどうにかなる」
キーンコーンカーンコーン
「ホームルームを…始めるぞ…」
「なー しょうま」
「なんだ、ホームルーム中だぞ静かにしろ」
「そうなんだけどさ、なんか今日新井先生元気ない様に見えるんだけど」
「そうか?まあ大事な書類にコーヒーこぼしたとかだろ」
「聞いてみるか!」
「怒られても知らんぞ」
「先生!今日元気ないですね、なにか嫌なことでもあったんですか?」
「高山か…実はなつい先程先生が職員室でコーヒーを飲んでた時だったんだが…」
一体何があったのだろう、いつも高山と互角レベルに元気な新井先生が相当落ち込んでいる様子を見てクラス全体が固唾を飲む
「ゴクリ」
「先生が大好きなアイドルグループ"STARS"のひなちゃんが脱退するって速報で流れて(泣)」
は?
「なんだよ先生!アイドルの脱退かよ〜驚いて損したよ」
クラス全体がため息をついて安堵した、しかし俺だけは安堵どころか意味がわからないほど混乱していた
(は?どういうことだ?意味がわからない、ひなが脱退?何故?)
「損したとはなんだ!大人気アイドルだぞお前らも悲しいだろ」
「そうなんだけどさ〜 まあアイドルの脱退とかよくある事だし元気だしなって!」
クラスの女子達が慰めの言葉をかけるが、ファンである新井先生にとってその言葉は慰めどころかより深くダメージを負わせるナイフのように胸に突き刺さった
もちろん、大ファンである俺には効果は抜群だった
「ひなが脱退?!」
「しょうま?いきなりどうした」
「ひながSTARSを脱退だとーーーーーーー!?!?」
ようやく状況に頭が追いついてきた俺は、驚きとショックで頭がぐちゃぐちゃに絡まって…
ドサッ
「おい!翔真!大丈夫か!しっかりしろ!先生翔真が!」
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