猛暑日

牛すき

第1話 懐かしい出会い。

「明日の東京の気温は30度。今季初めて真夏日を記録するでしょう。暑さ対策は必須で、、、。」


 東京はこれからまた夏が始まっていく。気温が高い上に、ジメジメとした日々を過ごしていく。

「そろそろ寝るか。」

 垂れ流していたテレビを消して、明日に備えて早めに床についた。


「お疲れ様です。」いつも通り挨拶をしていく。最近始めた派遣のアルバイト。今日は新店のファストフード店のチラシ配り。


「君の名前は?」

「中村悠晴です。」

「はい、おっけー。じゃあ、この袋持ってあっちの駅前で配ってきて。13時になったら休憩行っていいから。よろしくー。」

店長らしき人に渡された紙袋には大量のチラシが入っている。これを配り切るのか。

街行く人に受け取ってくれる人は少ない。皆仕事や友人との約束。各々別々の予定があるように見える。そんな中ファストフード店に足を運ぶ人はいない。ただ、太陽の下立ち尽くしてるだけだった。


「悠晴何してんの?」

聞き覚えのある声が聞こえる。大学の友人の翔太だった。

「久しぶりじゃん!こんなとこで会うなんて。今なんの仕事してんの?」

「派遣。」

「派遣?前の仕事はどうしたんだよ。」

「辞めたんだよ。」

「おいおいまじかよ。お前出世まっしぐらだったんだろ?なんで辞めちまったんだよ。」

「別になんでもいいだろ。」


チラシを配ってる男の目の前にはスーツに身を包み、ブランド物の腕時計、高級感漂うカバン、なんたって高身長イケメンが目の前にいる。正直嫉妬した。

「今度さ久しぶりに飲み行こうぜ。俺美味い店知ってんだよ。」

「別にいいけど。」

「よし、決まりな。来週ならどこが空いてる?」

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