序章
大陸の東海岸。
すぐ間近にアスラム山脈を見上げるその海岸に、波に揺られ、ひとつ古びた瓶が近づきつつあった。そのなかにあるものは一枚の紙片と、そして――。
深紅に輝く宝石のついたペンダント。
瓶は波に乗り、海岸に打ちあげられた。そこで半ば砂に埋もれ、静止した。まるで、時がとまったかのように。
瓶に封じられた紙片と宝石。
そこには、大陸の歴史をかえる秘密が込められていた。
それは――。
赤き千年王国へと至る道標だった。
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