第143話 解決屋チームの戦い!!
黒き塔付近――
車を走らせるは解決屋チーム!
「どっ…… どうやら収まったみたいですね」
「大王様の気も感じます! どうやらご無事みたいです!」
「だから言っただろ。 大丈夫だって」
「けどそれとは別に、突如現れた強力な霊圧が一つ……」
「ええ! 新たに出てきました! これは一体……」
…… なんかどっかで感じた覚えが……
ダメだ! 思い出せねえ!
つか只者じゃねえな…… こいつ……
ここにきて、これ
くそ! ここからじゃ俺らにはどうしようもねえし!
他の連中に粘ってもらうしかねえか!
大戦開始の一日目が勝負だと思っていたが……
どうやらそこまで時間はねえかもしれねえな……
とにかく急がねえと!
「ま、今は一端置いとけ…… どのみち今の状況の俺らじゃ、どうにもできん」
「それよりも…… 着いたみたいだぜ!」
「! ええ! いよいよですね!」
「黒き塔! あそこが最終決戦の場!」
遂にアルテミスのいる黒き塔の近くまで辿り着いた黒崎達!
「ああ、そしてあそこにアルテミス達がいる……」
「よし! このまま一気に…… !」
しかしここで、ある気配に黒崎が気付く!
「ちっ! やっぱりそう簡単にはいきそうにねーか!」
「お前ら! しっかり捕まってろ!」
スピードを上げ、車のハンドルをきる黒崎!
そしてそれを追うかの様に、黒崎達を追いかけるミサイルが飛んでくる!
「ロケットミサイル!?」
「敵襲ですか!」
ちっ! 振り切れねえ! 追尾型か! それも速い!
「飛べ! お前ら! 障壁も展開! 空中でも用心しろ!」
「はい!」
「ええ!」
黒崎の合図と共に、三者バラバラの方向に空中へと飛び出す解決屋チーム!
車は爆撃されて木っ端みじんに吹き飛ばされる!
そして他の二人には目もくれずに、空中で無防備になった黒崎に狙いを定める二つの影!
『真なる選別者』 ガラン・ズールとイリア・セイレスであった!
「解決屋ああああ!!!」
「
よし! 運転に支障が出ない様に、例の宝剣はリングの中にしまってある!
完全に無防備! もらった!
ガランが、その右拳で黒崎に襲い掛かる!
それを見て黒崎は右腕で防御態勢に入る!
馬鹿が! その細腕ごと! 砕き飛ばしてくれる!
ガランの渾身の右ストレートが黒崎の右腕を襲う!
すると、ガキィィィン! と、ガードした黒崎の腕から意外な衝突音が鳴り響く!
! 金属音だと!? まさか!
すると突如! 黒崎の右腕にグランゼウス要塞にて大王から渡されていた、白銀の
黒崎の装甲手袋も砕け散ってしまったものの、見事ガランの一撃を防いだ黒崎!
! ステルス機能で隠したまま、ずっと装備していたのか!
全く見かけなかったから、てっきり宝剣を手にして、もう既に破棄していたと思っていたが……
そう見せかける事によって、いざという時に我らの方に隙を作らせたのか!
! くっ! 躱せん!
「そう簡単にいくかよ!」
そのまま逆にガランの右頬を、カウンター気味にバキィっと左拳で殴りとばす黒崎!
「! ぐっ!」
地に轟音と共に叩きつけられるガラン!
「! ガラン! 貴様ああああ!」
「!」
激昂するイリアだったが、その一瞬の隙をついて彼女の首に自身の両脚を絡ませる黒崎!
「おらああああああ!」
そのまま縦に一回転する力を利用してイリアも地に叩きつけようとする黒崎!
「ちいいいいいいいいいい!」
だが、なんとか空中で態勢を立て直し地に足がめり込みながらも着地に成功するイリア!
「くっ! 野郎~~!」
そのまま再度! 空中にいる黒崎に狙いを定めるイリア!
だが飛び込む寸前! 左右から鎌での斬撃と銃弾が彼女を襲う!
「!!! ちっ!」
咄嗟に回避に切り替え、それらを躱すイリア!
着地する黒崎の下に、瞬時に集まる霧島とカエラ!
砕けた装甲手袋を外す黒崎!
「大丈夫ですか! 黒崎さん!」
「ああ、なんとかな!」
「ガラン・ズールにイリア・セイレス…… 『真なる選別者』の二人ですか!」
「ったく! テメーら! 人の愛車をオシャカにしてくれやがって…… こいつは高くつくぜ!」
「いや、別に貴方の愛車ではないですけどね」
「というか、どさくさに紛れて、この大戦が終わったら報酬の一部として、もらい受ける企みだったでしょ?」
「! 何でバレてた!?」
「貴方が考えそうな事ですよ! ちゃっかりしてますね! 本当に!」
「でもどのみち多分無理でしたよ。 見た目ただのオープンカーでも、中身は軍事車両顔負けの特殊装備してますから、治安部管理になると思いますし」
「ぐっ!」
「とにかく! ここにきてメンドーそうなのが出てきやがったな!」
「解決屋 黒崎修二と霧島達也…… それにカエラ・クリスティンか」
ゆっくり起き上がった後、血と共に折れた奥歯をぺっと吐き捨て、首をコキッと鳴らすガラン・ズール!
「大丈夫かい? ガラン?」
「問題ない」
「頑丈だねえ、本当に」
「それはそうとあんたら! アランが世話になったねえ! 散々舐めた小細工してくれやがって!」
「
「へっ! 上等だ…… !」
前に出て敵を迎え討とうとする黒崎の前に霧島とカエラが先に前へと出る。
「お前ら……」
「黒崎さんは先に行っててください」
「ここは私と霧島君が対処します」
「馬鹿言ってんじゃねえ…… 二人共恐らくアラン級…… 三人がかりでも苦労するレベルだ」
「貴方こそ自分のやるべき事を見失わないで下さい」
「アルテミス様を解放して差し上げるんでしょ? シリウス・アダマストとして、そして解決屋 黒崎修二として……」
「あそこは、それこそ想像を絶する死地でしょう…… ならばせめて、できうる限り貴方を無傷でそこまで送るのが私達の役目」
「アルセルシア様の依頼でもあるんでしょう? ダメですよ~ 一度受けた依頼を放棄しちゃあ♪」
「お前ら……」
「この数日…… 僕らも鍛えてたんですよ…… そう簡単には後れをとりませんよ」
「私も今回は守る対象がいなくて久々に思う存分暴れられますからね…… これまでみたいに不覚をとるつもりはありませんよ」
二人の覚悟を感じ取る黒崎……
「…… わかった……」
「依頼料はたんまりふんだくるつもりだ…… そんでもって、全部終わったら打ち上げだ!」
「だから勝手にくたばんじゃねえぞ!」
「必ず追いかけてこい! いいな!」
「ええ、勿論!」
「後で必ず追いつきます!」
互いに再会を約束する笑みを交わし、黒崎は塔へと走っていく。
「逃げんのか! 解決屋!」
「させるか!」
二人の前に立ちはだかる霧島とカエラ!
「! クソガキ共が!」
「まあいい。 若手の割にはやる様だが所詮我らの敵ではない。 さっさと倒して、すぐに後を追うとしよう」
「ですってよ。 霧島君」
「若いからって、メチャメチャ舐められてますねぇ。 僕達……」
「気に入らないですね」
「ええ。なので見せつけてやりましょうか…… 最近の若人の素敵な成長速度ってやつをね!」
「そうですね!」
霧島達也とカエラ・クリスティン!
対するはガラン・ズールとイリア・セイレス!
塔の前でも、今! 死闘が始まる!
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