第7話 決戦は金曜日 ②
翌日、開いた枠でイツメンが揃うのを見計らってメルモがコメントを打った。
『大きいランキングイベントが1週間後にあるよね。モルちゃん、トットって人はこれに出るかな?』
『うん。トットはこの手のイベントは好きだからきっと出ると思う』
メルモの問いかけにモルがリプを飛ばした。
『さてと…じゃあレオくん……』
ちょっと耳の痛いこと言わせて貰うけどとメルモが続けた。
『前にレオくんのTwitterを登録させて貰ったけど…アレは酷いわ』
え?俺、なんか変な事呟いたっけ?
『違うわよ逆!』
『何も呟いてないじゃない!』
『だってーそれは休んでたか…』俺が言い終わる前にメルモから指摘コメが飛ぶ。
『お休み前のも遡って見たけど○日からイベント。応援頼む!しか書いてないじゃん』
『うっ…うん』
でも他に書くことなんて見当たらねーよ💦
『今、どーせ書くことなんて無いって思ったでしょ』
え?なんだよ?メルモはエスパーか?
『なんでもいいのよ書くことなんて。今日食べたご飯とか道に咲いてた花とかで』
『あ、はい』返事しながらもメルモに『自分だって1ツイートもしてないじゃんか』と腹の中で悪態をついてみる。
『あと枠に来てるのはこの3人だけどTwitterで繋がってるのは100人近くいるじゃない』
そう。当時は1000人近くいたフォロワー。今でも数字上はまだ100人近くはいる。
もっとも単に面倒くさくてフォローを外してないだけだろうけど。
『でも、そんな事で効果あるかなぁ…』
俺の疑問に間髪入れずに答えが飛んでくる
『それは分からない。でもすぐに結果が出なくても良いじゃない』
『それに、なんだかんだ女はマメな男が好きなもんよ』
『あ〜それ分かる(゚ー゚)(。_。)ウンウン』とピノコが同調した。 『んだんだ(。_。(゚д゚(。_。(゚д゚ )』とモルまで続く。
『んだんだじゃねーよw』と思わず笑った俺がおかしかったのかコメント欄はwwwで埋め尽くされていく。
ひとしきり笑った後にメルモが続ける。
『私はイベントって初めてなんだけどレオくんのイベントってどんな感じなの?』
『どんなって…普通だよ』
その言葉に被せるようにモルが口を挟む。
『基本的にアイテムが飛んで、レオくんが〚ありがとう。愛してるよ!〛ってKISSを投げてって流れがベースかなぁ…』
改めてコメントで言われるとめちくちゃ恥ずかしい。俺そんなキザなことしてたんだ。
『それだけ?』とメルモが言う。続けて『イベントの時に特別な企画とかはしなかったの?』とも…
『んと、イベ中は基本動画にしてたけど…』
『🤷♀️』
メルモの意外に辛辣な絵文字にちょっとたじろぐ。でも皆んなこんなんじゃね?
『私、レオくんの枠に来るようになってからいつかはイベント参加するかもって思ってって他枠を潜って見学してたんだよ』
『女性の枠主だけどイベントに合わせたコスプレやイベントにちなんだ曲を歌ってたりって枠には感心したなぁ🤔』
メルモの行動の早さに呆然としてる俺の代わりにピノコがメルモにリプを飛ばす。
『メルモちゃん\( •̀ω•́ )/スゴーイめっちゃ勉強家なのね👏🏻』
そのリプにメルモが返した。
『⁄(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)⁄テレテレ』
『たいした事ないよ笑wまぁ専業主婦だから時間だけはあるからねぇ』
『えっ?……』
思わず出た声と同時に胸がチリッってした。
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