No.1【010:深い闇の穴】

 男は大量にあった書類の中から一つを取り、読み始めた。

そこに書かれていたのはGEO(Geometric dangerous objects)と書かれたものの研究書類だった。


=============

ここからは書類の話です。

=============

18XX 2/13

 俺は初めてここの施設を見た。囚人の中で死刑囚になったものだけがここの施設に入れられるそうだ。元々シャバの世界でもその噂は少しだけあった、だが施設がある。そういう情報だけだ。


俺はそうこうしているうちに車から降りさせられ厳重な警備の門をくぐった。

施設の中に入ると、鉄製の扉から木製の扉まで様々な扉があったがどれもこれも自分でわかるような危険な香りがプンプンした。今まで修羅場や死線をかいくぐってきたがあれらにはどうにも対抗できない気配がした。そして何分か歩いた後、独房のようなところに入れられた。ベッドとテーブル以外何も置いていないようだ。ひとまず明日に備えて寝るとしよう。


18XX 2/14

俺は初仕事をさせられるようだ。二人の厳重な警備員に連れられ、ある鉄扉の前に来た。その鉄扉からは何も感じなかったんだ。だが....その扉の先には穴の下が見えない深淵の穴が開いていた。

わかるか?懐中電灯で照らしても、ランプを落としても全く光が照らされないどころか光を飲み込むようにして闇が動いてるように見えるんだ。俺は焦りを感じていたこの穴で何をしろといわれるのか。この穴は直径20Mくらいのでかい穴なんだが、その側面に梯子がつけられているんだがその梯子の下に行ったら帰れないといわれているらしい。


 そんなのにあいつらは俺を命綱をつけていかせたんだ。信じられねえよな。穴の下には白い空間なんだ何もない。何も感じない。寒くもないし熱くもないんだ。

ただ暇なだけだった。


18XX ?/??

あれからなんにちたったのかわかんねえ。上から食料が降ってくるがどうも食欲が起きないんだ。睡眠欲もない。性欲もない。食欲もない。俺はおかしくなってきている。自分でもわかる...ただ、ここの空間には一個だけ好きな場所にものを送れるようのエレベーターらしきものがあった。

俺みたいなのが増える前に...これを書き記して俺の寝室に運ばないと。


18?? ?/??

俺はこの世界の心理を知ってしまった。書き記さなくては...後世に伝えるために!

俺はこの世界の神になったのかもしれない!あとはここからでるだけだ!この世界の心理は《削除済み》


==========

いったいこの文書はなんなんだ。世界の心理を知ったからなのか...?

何もわからない...。まだまだ見る必要がありそうだ。それはまた明日にしよう。

そういうと男はベッドにもぐりこんだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る