エピローグ
俺は部屋の中央に進み、すっと手形に自分の手を置く。
表示されている手形は、ピース1、そしてピース2の装備者である俺の手形とピッタリのサイズだった。
……起動に足るMPを確認
……起動しますか?
……「はい」「いいえ」
俺は「はい」を押す。
その瞬間、俺の体に負荷がかかる。
以前よりはかなり軽い負荷だ。俺のステータスが、レベルの上昇とユニークスキルによって最初よりかなり成長したということの証左だろう。
数秒で負荷はおさまり、画面に次の文言が表示される。
……エネルギー充填完了。
……装備者:若槻翔、解析データの読み込み完了。
……プロジェクト:####ピース3を起動しますか?
……「はい」「いいえ」
迷わず「はい」を押すと、キュリキュリキュリと空中に物体が
ワクワクしながら見ていると、一つの光り輝くクリスタルが出現した。
あれが、今回のアーティファクトの鍵だろう。
そのまま、クリスタルを守るように覆いが生成され、次いで生み出された輪の台座に収まった。
完成したリングは俺の目の前に浮かんで静止した。
俺は、ちょうどすっぽり嵌りそうな左腕を輪の中に通す。すると、ピッタリと収まった。
「……ん。おめでとう」
「ありがとう、澄火。効果は……」
俺は三度目となる説明書を頭の中に読み出すべく、装備にMPを通す。
プロジェクト:#### ピース3/5
リング型個人用兵器。装備者の周囲の任意の空間に、装備者の意識、もしくは自動選択により対象物の通過/非通過を切り替え可能な領域を出現させることが可能。
領域の範囲・強度は装備者の込めるエネルギーに依る。
この兵器は装備者の意思によって€€€€へと隠すことが可能。
この説明書は、最初にMPを消費した時に装備者の知的領域にインプットされ、その後これを想起することで閲覧者の知的領域内で溶けて消える。
以上
領域……まあ、つまりはバリア生成装置だ。
俺は手を前の突き出し、試しにバリアを一枚作り出してみる。
「……ん」
澄火が軽めの電撃を放つが、バチリとバリアによって弾かれた。
「……ん。強い」
「ああ。使い勝手もいい」
それに、奥が深そうだ。近接戦闘においても、バリアを使うことで手数が増えるし、遠距離戦闘においては自分の被弾リスクを大きく下げることができる。
「……よし、帰ろう。面倒ごとに巻き込まれないうちに」
「……ん」
しかしもちろん、帰れなかった。
飛行機で空を飛ぶ俺たちを待ち受けていたのは……奴らだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます