第7話 初戦闘

俺は先頭を走る奴の頭をむんずと掴み、目に指を突き刺す。

ぶちゅりという音がして目が潰れて、先頭のやつはメチャクチャに暴れ始めた。

俺は即刻退避して、ジーンズから引き抜いたベルトをそばにいたやつの首にかけて引きずる。

そして、もがくモンスターから落ちた武器を拾った。


ただの棍棒でも、武器があるだけで少し安心感が増す。


と、星野の周囲に紫色の電撃が迸り、周囲にいるモンスターを全員痺れさせた。

俺は星野のそばに駆け寄り、痺れている魔物にゴスゴスと棍棒を振り下ろす。


俺は格段に体が軽くなるのを感じる。


結構重たかったはずの棍棒が、楽々と振り回せるようになった。


ちょっとやみつきになりそうな感覚だ。


棍棒をぶうんと勢いをつけて振り回すと、一振りで2、3体が吹き飛んでいく。


「紫電」


と、MPが貯まったのか星野が電撃を放つ。

星野もレベルが上がったのか、さっきよりも威力や範囲が大きい。


俺は痺れたやつや吹き飛んだやつにとどめを刺していく。


––––なんとか、第一波は乗り越えられそうだ。


そんなことを思った矢先、俺は気づく。全く地面の振動が止んでいない。いや、それどころか強まっている……?


「第二波、来るよ」


と、星野。

ダンジョンの奥を見ると、多数の狼のようなモンスターが押し寄せてきていた。

まだ第一波のモンスターが半分以上が残っているので、ここに突入されるとまずい。


俺は棍棒を構え、湧き上がる力そのままに思いっきり振りまくる。

ぼき!ばき!という嫌な音がして、モンスターの首の骨が折れていく。


一体倒すたびに、力が上がっている感じがする。

ステータスを確認したいものの、そんな暇はなさそうだ。


「はあああああああ!」


星野が雷を玉のようにして打ち出す。

雷の玉は狼型モンスターの群れの中心まで行くと、どうっと爆発を起こして紫の電撃のドームを発生させた。


とてもかっこいい技だ。


しかし、おそらくMPをかなり使ったのだろう。

星野の息がわずかに上がっている。


「突入するから援護を頼む」


俺は残ったモンスターを排除すべく、そばに落ちている棍棒を投げつけながら走る。

仲間の死体を踏みつけながらこちらに突貫してきた狼型モンスターを今度は手に持った棍棒でグシャリと潰す。


それを隙だと捉えて左右から同時に攻撃がやってくるが、そちらは俺の背後からやってきた紫色の電撃に貫かれた。


そのままなんとか第二波の処理をしていると……第三波がやってきた。

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