空白の1ページ

葛城ネム

第1話 始まりの命

「後は頼んだぞ…」


謎の声とともに目覚めたディラス。

辺りを見渡すが、有るのは色々な道具と文字が書かれている大量の紙。

外からは色々な騒音が響き渡っている。


ディラスのすぐ隣には先ほど喋っていたと思われる男が身体中から赤い液体を流して倒れている。


ディラスはゆっくり窓に近づき外を見つめる。

そこにあったのは 今隣で倒れている男と同様に、多くの人間が身体中から赤い液体を流して倒れていた。


その光景をみたディラスは胸の奥がズキズキ痛む感触を覚えた。

この胸の痛みを治す手掛かりがあるのではないかと思い、ディラスは部屋の中に散らばっている文字が書かれた紙を1枚残らず拾い集め、手掛かりを探す事にした。


そこに記されていたのは、この世界の事や現状、

世界の現状、 記されていた。


どうやらこの世界は、身体のパーツ一つ一つをお金で買うことによって命を吹き込む事ができ、パーツを奪い合う為に日々、戦争がおこっているとの事だった。


そう。 ディラスはこの横たわっている謎の男によって作られた命なのだ。


そして、パーツ一つ一つにS~F までのランクがあるらしく

Sのパーツならば一生腐らない

Fのパーツならば1年で腐る



この作りの親は この世界を変えようと研究を重ねていたが、それをよく思わないオールS の貴族集団から狙われていると記されていた。



倒れている男が作りの親と知り、ディラスはまた胸の奥が痛くなる一方だが、この痛みを治す方法はどこにも書かれていない。


その時ディラスは作りの親の「後は頼んだぞ…」 という言葉を思い出す。


「この研究を完成させる事でこの胸の痛みの正体と治し方がわかるかもしれない! 」


と思ったディラスは研究を完成する事を目標に作りの親が残していった記録を読み尽くす事にする。




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