第8話 藍音の驚く一言 その1
「この翻訳機スゲーな。 これ量産したら世の中のテイマーが物凄く喜ぶと思うぜ」
藍音にそう言うと、藍音は " は? " みたいな顔をして
「え? 量産? 普通に嫌だけど?」
「えっ?」
『えっ?』
俺は思わずえっ?って言ってしまった。
「な、何でだよ? これは画期的な機械だぞ?」
『そうですよ! この翻訳機があれば、私達魔物の言葉が分かるんですよ?』
俺とスノーが藍音に詰め寄るが、藍音は
「だって、他人に翻訳機作るのたるいじゃん。" 他人 " の為に何で私が労力を使わないといけないのかな? そんなメリットの無い事はしたくないの」
しれっとそんな事を言った。
「じゃ何で俺には作ってくれたんだ?」
「それは、この翻訳機があれば翔真が喜ぶかな~と思ったから。ただそれだけの事だよ。私もスノーちゃんとお話したかったし?」
「そ、そうなんだ。確かにこの翻訳機があれば、俺は助かるよな。ダンジョンに潜った時にスノーと連携が取りやすくなるから」
『そうですね。ダンジョン探索には連携が重要事項ですので、私の声が御主人様に届くのはとても有り難いです』
「でしょ? 私は他人はどうでもいいの。翔真とスノーちゃんが喜んでくれたらそれで良いの。だから量産はしないよ」
眩しい位の笑顔でそう言われると、これ以上は何も言えなくなってしまった。
遠くから俺達のやり取りを見ていた教授と准教授はあからさまにがっかりした表情をして落ち込んでいた。教授達も翻訳機が欲しかったんだろうな。量産して売り出せば莫大な利益になるだろうし。
でも、藍音は自分が嫌な事は絶対にしない事を教授達も分かっているみたいだからアプローチはして来なかった。
「じゃ翔真、約束通り今晩は居酒屋で飲み会ね♪ 全部の講義が終わったら翔真のアパートに行くから待っててね♪」
「おう。了解だ。講義が終わったら藍音のスマホに連絡するよ。翻訳機ありがとうな」
『ありがとうございました』
「どういたしまして♪」
俺達はラボを後にして残りの講義を受講しに向かった。 その道すがらスノーは何かを考えている様子で
『ふむ……です』
『藍音様、少しだけお時間戴けますか?』
「ん? どうしたのスノーちゃん? 別に構わないけど?」
『ありがとうございます。では此方に来て戴いても?』
「良いよ~」
『御主人様、少しだけ藍音様とお話してきますので、そこの椅子に座って待ってて貰っても宜しいでしょうか?』
「分かった。でも次の講義があるから早めに頼むぜ」
『はい。直ぐに終わりますので』
そう言ってスノーは藍音を連れて少し離れた場所に移動していった。 俺は言われた通りにベンチに座ってスノー達を待つ事にした。 スノーは藍音に何の話をするつもりなんだろうな?
『お時間戴けましてありがとうございます藍音様』
「別に構わないよスノーちゃん。 で、何のお話かな?」
『違っていたら誠に申し訳ありません。私思ったのですが、藍音様は御主人様の事が好きなのではありませんか?』
「ふ、ふぇ?////// な、何でそう思ったのかなスノーちゃん💦」
『さっきのラボでのお二人の会話から推測してそう思ったのですが、間違っていましたか?』
「そ、その通りです////// 私は翔真の事が昔から好きです//////」
『やっぱり♪ 良かったです間違って無くて♪』
「でも会話だけで良く分かったね?」
『同じ雌ですから♪』
「め、雌って……💦 何かいやらしい響きだよぅ💦」
『それに他の雄が飲み会に誘ってきた時は問答無用で拒否されていたのに、御主人様がお誘いした時は即決でしたから。御主人様から誘われた時の藍音様物凄く嬉しそうな顔をしていましたよ。御主人様は気付いていない様子でしたが』
「分かるスノーちゃん? 昔からいくら翔真にアピールしても、あんな風に流されちゃうんだよ? 酷いと思わない?」
『見た感じ御主人様は筋金入りの鈍感みたいですので』
「そう!まさにそれ! はぁ~っ。どうやったら翔真に私の気持ちが伝わるのかなぁ💧」
『ダイレクトに " 私は貴方が好きです " と伝えてみては?』
「そ、そそそ、そんな恥ずかしい事出来ないよぅ💦」
『乙女ですね藍音様』
「……💦」
『……私決めました。私、藍音様の事応援します。藍音様が御主人様と結ばれて交尾出来る様に全力でサポート致します』
「こ、こここ交尾って////// スノーちゃん!?」
『でも、したいんですよね御主人様と交尾?』
「そ、そりゃもちろんだけど//////」
『お任せ下さい! スノーは全力でお二人をサポート致します!そして藍音様と御主人様が交尾出来る様に仕向けますので!』
「スノーちゃん! 女の子が交尾交尾言わないの!」
俺の知らない所でそんな話が有ったとか無かったとか。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
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