テイマーの俺 白いコボルトをテイムする。
猫之丞
第1話 テイマーの俺 白いコボルトをテイムする その1
20××年 全世界にダンジョンが出来、ダンジョン内には魔物が現れる様になった。
そしてそれに伴い人類にも " ジョブ " が付くようになる。
ジョブも、 剣士 戦士 拳闘士 僧侶 魔法使い 等様々ある。
人類にジョブが付くようになってから、職業に " 探索者 " というジャンルが加わった。 職の内容は、ダンジョン内に潜り、魔物と戦い魔物の素材を集めたり、ダンジョン産の鉱石やアイテムを持ち帰りギルドに売って金銭を得る(勿論確定申告あり)といった物だ。 上手くやれば一攫千金も狙える夢のある職業と言えるだろう。 下手すれば死んじゃうっていうリスクもあるけど。
勿論探索者だけじゃ無くサラリーマンや販売業等の一般職もある。 ダンジョンに興味が無い人や死ぬリスクが怖い人達は一般職に就職する。
あっ、自己紹介がまだだった。 俺、
今大学2回生で、魔物学を専攻している20歳。 中肉中背のフツメン。
ちなみに俺のジョブは " テイマー "
大学生兼探索者をしている。 何故大学生が探索者をしているのかって?
俺、自分がテイムした魔物と一緒にダンジョン攻略するのが夢だ。 だから、大学で魔物学を専攻して魔物の生態を学んでいる。
講義が入っていない日や休みの日はダンジョンに潜って魔物のテイムに勤しんでいる。
でも……今の今まで魔物をテイムした事が無い。 いや、出来ないんだ。
何故かって? それは、俺が壊滅的に魔物との相性が悪いからだ。
基本テイマーが魔物をテイムする時、先ず魔物を弱らせてから " スキル " テイムを使い魔物をテイムする。 まぁ、弱らせてテイムを使っても、相性が悪ければ魔物から拒否されテイム出来ないんだけど。
でだ、俺は壊滅的に魔物との相性が悪いので、魔物をテイムする事が出来ない。 1番テイムしやすいと言われているスライムさえテイムする事が出来ないのだ。 この前、スライムを弱らせテイムする瞬間が出来たのだが、テイムを使った瞬間に拒否された。 その後にスライムから失笑(?)され逃げられてしまった。
何故だ!? 何故俺は魔物をテイムする事が出来ないんだ!? そんなに皆俺の事が嫌いか!? 1番テイムしやすいスライムにも失笑(された気がする)され逃げられてしまうのは何故だ!? 泣くぞ!? 大の大人が声を大にして泣くぞ!?
いや、まだまだ諦めないぞ! いずれ俺と相性ぴったりの魔物が現れてくれる筈だ!
そう自分を鼓舞しつつ今日も俺は時間があればダンジョンに潜っている。
今日も俺はダンジョンに潜って魔物をテイムする為に頑張っている。 ある程度ダンジョン内をうろうろし、出会う魔物を弱らせてテイムのスキルを使っているが、やっぱりテイム出来ない。
……いい加減心が折れそうだ。 泣いても良いかな?
……ん? おや? あ、あれは……
今日はもう諦めようとしてダンジョンを出ようとした時、ダンジョン入り口付近に何かが倒れているのを発見した。
俺は急いで倒れている何かに近付いた。
倒れていたのは魔物だった。
「コボルトじゃないか。どうしてこんな所に倒れているんだ?」
説明しよう。コボルトとは、全体的に犬の姿で、基本二足歩行をする魔物だ。 そんなに強くは無く、一般的に初心者が相手をする魔物だ。 毛の色は茶色が殆ど。 知能は高くなく、人間で言えば3歳児位の知能。 俺はコボルトに何度もテイムを使った事があるが、ことごとく拒否られている。
「ん? このコボルト、傷だらけじゃないか。今にも死にそうになっている……どうしよう?」
倒れていたコボルトは全身切り傷だらけで真っ赤な血でまみれていた。 ほっといたら直ぐに死んでしまいそうな位衰弱している。
……そうだ。テイムのチャンスなんじゃ?
俺は一瞬そう思ったが、思い直した。 またどうせテイムを使っても拒否されるにちがいない。
……助けてやるか。 このまま見殺しにしたら目覚めが悪いからな。
俺はバッグからポーションを取り出してコボルトに振りかけた。
すると、コボルトの全身の切り傷はみるみる内に消えていった。
……少しポーションの中身残ったな。 捨てるには勿体ないから、残りを飲ませるか。
俺は血塗れのコボルトの頭を支えて、残ったポーションをコボルトの口の中に流し込んだ。
" ゴクンッ! "
コボルトがポーションを飲み込んだのを確認した俺は、コボルトの頭を地面に優しく置く。
すると、コボルトの身体が突然強い光を放ち出した。
な、なんだ!? 何が起こっているんだ!?
コボルトの身体が強い光を放ち出してから約数秒後、俺の頭の中に不思議な声が響いた。
" コボルトをテイムしました "
……な、なんだって!? 俺、このコボルトをテイムしたのか!?
びっくりしていると、コボルトから放たれる光が収まった。 そしてゆっくりと倒れていたコボルトの目が空いた。
「……キャン!!」
コボルトは身体を勢い良く起こして、一声そう鳴いてから俺に嬉しそうに飛び付いてきた。
わわっ!? 抱きつくな!! 血が服に付くからくっつくな!! や~め~ろ~!!
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
面白いと思われたら★評価 🖤 コメント レビュー等を頂けたら今後の励みになります。
今後とも拙作を宜しくお願い致しますm(__)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます