平安戦隊オカメンジャー
にわ冬莉
最後の戦い
悪の組織ヒョットコーンとの戦いは、正念場を迎えていた。
平安戦隊オカメンジャーが最高の技、ミラクルレインボーオカメアタックで、まさに今ヒョットコーンを倒そうという瞬間である。
だが、
「嘘だろ…ブラック!」
オカメレッドが叫ぶ。技を繰り出そうというその時、仲間であるはずのブラックが裏切ったのである。
「なんで…どうしてなんだ!」
愕然とするレッド。
「まさかの展開でゴザル」
ブルーが肩を落とす。
「うわぁお! ここで裏切るとか、黒いわ~」
なぜか感心しているイエロー。
そして、たった一人、平常心のブラウンが、告げる。
「やっぱりね。なんだか様子が変だと思ってたのよ」
「ええ! 気付いてたなら教えてよ!」
情けない声を出すレッドに向かって、ブラウンが告げる。
「慌てないでよ、今、彼女を呼ぶわ」
「…彼女、でゴザルか?」
オカメブラウンが、空に向かって声を掛けた。
「出番よ~!」
ブラウンの声に反応するように遠い空のむこうからやってくる金色の光…、オカメゴールドだ!
「呼びました~?」
「ゴールド! ブラックに掛けられた呪いを解いて! そして私たちに、光を!」
「合点承知でぇす!」
オカメゴールドが、ブラックに向かって手をかざす。ポウ、と光の玉が浮かぶと、見る見る間に大きくなっていく。そしてその光がブラックを包み込む。
「な、なにをする気だ!」
「案ずることはありません。さぁ、オカメのご加護を!!」
パァァァッ
穢されていた心が浄化していくのを感じる。
(これが…オカメのご加護…)
「次はレッド、あなたよ!」
「え? 俺?」
「オカメプリズムパワー、メイクアップ!」
レッドの体が光り出し、オカメレッドのオカメスーツが…変化…しない?
「何も変わってないし」
イエローが突っ込む。
「いいえ、彼は今、オカメンジャー最高の存在…そう、変態お仮面になっています!」
「まさか! あの伝説の、変態お仮面に!?」
——説明しよう! 一見さっきと同じに見えるが、レッドはおパンツを穿いていないのだった!
「スカッと爽快、変態お仮面、参上!」
かっこよくポーズを決めるレッド。
「みんな、今こそ力を合わせてヒョットコーンをやっつけるぞ!」
オカメンジャー、レッド(変態お仮面バージョン)、ブルー、イエロー、ブラック、ブラウン、ゴールドが、ヒョットコーン軍に向け必殺技を放つ!
『ミラクルレインボーオカメアタ~~ック!!』
こうして、世界の平和は守られたのだ。
ありがとう平安戦隊、オカメンジャー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます