ファーストキス

らいなわき

ファーストキス


 僕は今、人生で一番ドキドキしていた。


 高校2年生の夏…僕は人生で初めて出来た彼女に「今日親いないから…」と家に誘われ、彼女の部屋に来ていた。


 そして少し談笑していたら、彼女が不意に僕に密着して来た。


 つんつん、と僕の腕を指でつつく彼女。

 顔を見ると、頬を赤らめながら僕を上目遣いで見つめて呟いた。


「ねぇ…好き…だよ…?」

 可愛いすぎる…。

「うん…僕も…」


 あまりの可愛さに照れながら答え、僕たちは数秒見つめ合った。


 すると彼女がスっと目を閉じる。


 僕はその行動の意味するところを知り、ゴクリ、と生唾を飲み込んだ。


 彼女の長い睫毛と艶やかな唇が目に入り、彼女の綺麗さに改めて見とれる。


 僕は彼女の顔にゆっくりと自分の顔を近づけていく。


 初めての経験に心臓が爆発的な心音を奏でている。


 外では蝉が煩く鳴いているはずなのに、そんな音は耳に入ってこず、とても静かな彼女の息遣いだけが聞こえている気がした。


 顔を傾け、自分の唇と彼女の唇を合わせようと更に近付ける。

 触れてしまう寸前まで来たところで、何だか恥ずかしくなり余裕も無くなり、僕も目を閉じた。






 そして──僕の唇が彼女の唇に触れて──












「チュ…ジュプ…ピチャピチャ…ジュポジュポ…ジュッポ…グチュグチュ!ジュッポ!ヂュヂュ!クチャ!クチャ!!チャプチェ!!グルッポ!!グチッ!!ヂュルル!!ポワッ!!ジャチュ!!ジャチュ!!!ジュルジュル!!!グッチャ!!!グチャ!!!ジュルッポ!!!!グチェリュ!!!!ヂュヂュヂュ!!!!ビチャチャ!!!!!ジュッポォ!!!!!……っぷぁ…



  わたしの…ファーストキス…だよ…    

                   」



「お前マジか」



        〜完〜

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ファーストキス らいなわき @rainawaki

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