第肆話 ink
目の前にあったのは、さっきの絵とは全く違っていたのだから。横たわっている人のお腹あたりが破れ、そこからは黒い液体が流れていた。 まるで血みたい..そして、隣には男の子が座っている。絵に変わっていた。
なぜ、こんな絵に?さっきまでは夢と関係していた絵だった。急に関係ない絵に..いや、本当に関係はないのか?一枚目の絵も、変わる前の可愛らしい絵は夢と繋がりがあった。手がかり..文の中にあるのかな?私は、再び文を読んでみることにした。
う~ん、考えすぎなのかな、どこにも血のことなんて書かれていないし、絵の方に目を戻した、今回は絵は変わっていない。ただただ、液体が床に垂れているだけ。モヤモヤするけど、分からないものは、考えても仕方ない。と気持ちを切り替え次の絵画に向かおうとしたとき、私はふとあることに気付いた。もう一度、文に目をやる。あった..
〈どあをあけたら、ぱぱが、ねてた。〉
“ねてた”のではなく、“死んでた”のではないか。
でも、急に死ぬことなんてあるのか?..でも、夢の中だし何でもありか。
〈どたどたおとがした。〉
こうも考えられるか、"殺された"誰かに抗っていたから、どたどたと音がしていたのでは?..
なーんて、考えすぎ、考えすぎ。子供がそんな、物騒な夢を見るわけないじゃん。それに、本当に寝てただけかもしれないし。私は、振り返りその場を離れた。
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