鍛治師との出会い
兄上と張飛殿と関羽殿の桃園の誓いから一夜明け。300人の兵の編成をすることになった。兄上は一夜にして300人将となったのだ。
義賢「兄上を300人のトップとして、張飛殿と関羽殿が独立友軍として100人づつ、兄上の100人の兵の内訳は田豫殿が80人、簡雍殿が10人、俺が10人で兄上の隊に入るということで構いませんか?」
張飛「さっきから大兄者のことを兄上と呼んでるがテメェは誰だ」
関羽「うむ。翼徳とおなじで某もお主に素直に従えぬ」
義賢「申し訳ございません。俺は性は劉、名はえーっとあっ丁で、字は義賢、
劉備「義賢、名を思い出したんだね。良かったよ」
張飛「大兄者の弟だって。これは失礼しやした」
関羽「兄者の弟とは申し訳ござらん。そういうことなら異存は無い」
田豫「簡雍と義賢は10づつで良いのか?」
簡雍「俺はそもそも武官では無いからねぇ。あまり兵の指揮ができるとは思えないねぇ」
義賢「俺も兄上のそばで作戦立案に徹底したいので身を守るのがせいぜいですよ」
カッコつけてみたが高校生だ。戦ったこともない俺がなんとかできるわけがない。戦闘は関羽殿と張飛殿と田豫殿に丸投げさせてもらうことになるだろう。
田豫「そういうことなら心得た」
義賢「次は、彼らに払う俸禄や武器防具や馬の確保ですね」
劉備「貯め込んできた金を使う時が来たな。これで武器と防具と馬の確保を可能な限り行うとしよう」
張飛「そういうことなら俺は肉屋を売った資金で自分たちの分は整える」
関羽「某も商人をしていた時の商品を売り捌いた金がありますので、それで賄いましょうぞ」
簡雍「そういうことなら良い鍛治師が必要ですねぇ」
田豫「当てがあるにはあるがアイツが引き受けてくれるかどうか?」
劉備「アイツか。まぁ、雲長と翼徳と義賢と共に行ってみるとしよう」
田豫「では俺はその間は練兵を行うとしよう」
簡雍「俺は得意な弁舌で金持ちから金を出させてこようかねぇ」
劉備「2人とも頼んだぞ。では参ろうか雲長、翼徳、義賢」
関羽・張飛・義賢「おぅよ」
義賢「兄上、アイツとは?」
劉備「義賢、本当にどうした?簡雍や田豫と会ったときも困惑していたし、今回もそうだ。何か隠している事はないか?」
鋭い兄上の眼差しに負け話す。
劉備「成程、記憶が飛んでいるのか?気付いてやれずすまない。そういう事なら話しておいた方が良さそうだな。今から行く鍛冶屋はこの村1番の腕を持っている。そして現在の棟梁は、義賢お前が昔遊んでいた馴染みだ」
義賢「へっ?」
張飛「へぇ〜そいつは楽しみだぜ。俺はよ。専用の武器を作ってもらいてぇんだ」
関羽「某も楽しみですなぁ」
劉備「まぁ行けば何か思い出すかもしれん。義賢ついてきてくれるな」
義賢「兄上、勿論です」
中からトンテンカンカンと心地よい音が聞こえる。その中に男に紛れて不釣り合いな女の子が見える。
劉備「失礼する」
?「玄徳兄ちゃん、いらっしゃい。とお連れの方2人と、えっ義賢、凄く久しぶり。元気にしてた?」
目の前の女性はノースリーブの服を着て、身体には火傷の跡があり、頭には白いタオルを巻き、ズボンは作業着を着ていた。
義賢「身長は170センチ、体重は56キロ、バスト90、ウエスト60、ヒップ85ってとこだな」
劉備「義賢、お前」
2発のパンチが飛んできた。1つはこの目の前の女性。もう1つは張飛殿からだ。
張飛「女性になんて聞き方してんだテメェ。もう1発ぶん殴ってやる」
関羽「堪えるのだ翼徳。これがこの2人のやりとりかもしれぬだろう」
張飛「だったらあの子も殴りかからねぇだろう」
劉備「翼徳、
深々と頭を下げる兄上。
張飛「わかったよ。もう殴らねぇから離してくれ雲長の兄者」
関羽「うむ」
舞「私も久々に会った親友がいきなりそんなこと言うから恥ずかしくて殴っただけ。もう気にしてない」
劉備「すまぬ。お前も謝らぬか。このバカたれ」
兄上は俺を起こすと頭を押さえ付けて下げさせる。
義賢「ごめんなさい」
舞「もう気にしてない。大丈夫」
顔を真っ赤にしている。まだ怒っているのだろう。
劉備「では、本題に入ろう。武器を作って欲しいのだ」
舞「鍛治師だから、武器は作るけどさ。なんで必要なの」
劉備「天子様をお救いするべくこの度義勇兵として戦うことにした」
舞「あっそう。でどんな武器が必要なの?」
劉備「俺は、専用の双剣を」
張飛「俺はよ。専用の矛ってのが欲しいんだ」
関羽「某は、偃月刀を頼む」
義賢「俺は、近接もできる弓が欲しい」
舞「義賢には聞いてない。というかアンタのは2倍の値段」
義賢「えっ?」
舞「当然、さっきのセクハラに対する慰謝料」
義賢「ぐぬぬ。小さいより大きい方が好きだぞ」
舞「3倍にするけど良い?」
義賢「申し訳ございませんでした。もう2度と言いません」
舞「ちゃんと謝る。大事。玄徳の兄ちゃんと翼徳さんと雲長さんは半額で良い。義賢は3倍。これは譲れない」
劉備・関羽・張飛「了解した」
義賢「わかったよ」
舞「宜しい。今から打つ。暫くかかるからそれまでは別の武器使ってて欲しい」
劉備「そんなにすぐ必要ではないからのんびり待つよ」
舞「わかった。できたら知らせる。それだけ?」
劉備「あぁ」
舞「じゃあ、義賢だけ借りる。説教まだ足りない」
劉備「うむ。こってり絞ってやってくれ」
関羽「義賢殿、それではな」
張飛「ケケケ、当たり前だあんなことしたんだからよ。自業自得ってもんだぜ」
義賢「そんなぁ」
俺だけを残して兄上たちは去っていった。
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