op入試と入学式

入試編

本屋での出会い

俺、青柳優斗あおやなぎゆうとは中学生時代から探している女の子がいる。彼女とは不思議な出会いだった。そして俺は彼女を一目惚れしてしまった。

俺は名前も知らない彼女に会うために出会った本屋に何度も通った。彼女の作品の発売日にはオープン前から並んだ。しかし、あの出会い以降見かけたことは…ない。

氷奈ひょうなにまた会いたいな」

…………

不思議な出会いから季節が9個進んだ春。俺は大学生になろうとしていた。

俺は梅の花がきれいに咲く桜桃おうとう学院大学の校舎に入った。この大学は変わっていて、文芸学部やライトノベル学部がある大学だ。俺は彼女に会う最後の望みとしてこの大学を希望した。ライトノベル学部ではライトノベル作家は推薦で学費などが免除される。すなわち会う確率が高いのだ。

今日は入試の日。俺はあの日の不思議な出会いを思い出しながら受験開始を待った。

………

中学3年の冬

俺、青柳優斗(あおやなぎゆうと)は高校入試の勉教をせずに、毎日遊んでいた。その日は衝撃文庫の新刊の発売日だった。

俺はライトノベルを読むのは好きだ。文学作品より固くない所が良い。ときどき作者の文体からオリジナル性を感じることがある。

俺が買う本を選んでいると白髪がきれいな中学生ぐらいの女の子がライトノベルコーナをじっと見つめていることに。彼女はかなり落ち込んでいるように見えた。よく見るとある本の1点を見ているように感じた。読みたい本がお金がなくて買えないのだろう。そう思った俺はその本を2冊手に取り、あと数冊の本とともに会計に持って行った。もちろん1冊は俺が読む用、もう1つは彼女にあげる用だ。俺が彼女が見つめていた本を会計に持って行くと彼女はぱっと笑顔になった。その顔は宝石を見ているかのように眩しかった。

………

「3850円になります。……5000円からお預かりします。……1150円のお釣りです。ありがとうございました」

俺の財布は軽くなったがあの笑顔を見れたのなら後悔はない。俺は彼女のもとに急いで向かった。

「この本ほしい?」

俺は彼女にそう声をかけた。

「あっ、えっとその」

彼女は突然声をかけられたことに驚いて動けずにいた。

「欲しかったあげるけどどうする」

「あっ、えっと…お買い上げありがとうございます」

彼女は話しかけたことに驚きながら、このように言った。えっ、この子今何を言った。衝撃の事実に今度は俺が驚く番だった。おそるおそる彼女に尋ねる。

「これあなたが書いたの?」

「うん。今日は私のデビューの日なの。ちなみに君が初めて買ってくれたことに喜んでいた。記念にサイン入りませんか」

ありがたいことに彼女の初めてを頂いたらしい。俺はその記念をいただくことにした。

「ほんとにありがとう。これからもよろしく」

「感想はファンレターで送るから」

俺はそう言って彼女と別れた。


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ライトノベル学部ラブコメ学科のニセカレカノ生活〜それでも俺は探し続ける 二葉弥生 @siken

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