第32話 興奮!黒ギャルと令嬢の入浴タイム

さっきから、急な雨が降ってきていた

普通の人なら、出かけられないの嫌だなー、と思うかもしれない

しかし、あたしにはゲームがある!

今日はおうちゲームDAYにしよう

まずは、ログインボーナスを消費せねば…


スマホ片手に、寝転がりながらゲームをしようと、ベッドへと移動したとき


「あれ…誰かいる…?」

塀の側から、あたしの部屋の窓をじっと見つめてる、誰かの影にきづいた

それは、ピンクの傘を差した、金髪のかわいい女の子で…


「麗ちゃん?!」

「?!」

あたしに呼ばれてびっくりした麗ちゃんは、慌てて家から離れ大通りの方へ

え、何で逃げるの…?!


「…なんだか、嫌な予感がする…!」

麗ちゃんを追いかけるため、あたしは大慌てで、ジャージのまま外へ飛び出す

ともかく捕まえて、話を聞かなきゃ…

あたしも大通りの方へと走り始めた、その時


「あ、美遊~」

「も、申し訳ありません…お母様」

「あれ…?麗ちゃん…とお母さん?」

買い物袋を持ったちょい濡れお母さんと

びしょ濡れの麗ちゃんがこっちに戻ってきた


「ちょっと買い物から帰ってきたところで

 麗ちゃんとぶつかっちゃったんだけど…」

走ってきた麗ちゃんとぶつかって、麗ちゃんは水たまりに転んで

お母さんは転ばなかった…そんな感じかな


「お、お母さん…ありがとう!」

「え、なに?どうしたの?」

ともかく、麗ちゃんを止められてよかった




その後、あたしとお母さんは、麗ちゃんをわが家に連れ込んだ

まだいっぱい雨が降ってるし、それに…


「お母さんお風呂沸かすから、麗ちゃん入ったらどうかしら?」

「そうだね、ビショビショだし、身体あっためないと」

「え、あ、その……はい……」

ぶつかってしまった申し訳なさがあるのか

今のお母さんには逆らいにくい感じだ


「じゃあ、美遊、麗ちゃんお風呂に入れてくれる?」

「あ、うん、わかっ……えええええ?!」

「お母さんは服がちょっと濡れただけだし、後からでいいからね~」

え、あれ?えっと、その…

だ、大丈夫なの?!あたし捕まったりしない?!

唐突に降ってわいた一緒にお風呂チャンスに混乱するあたし

い、いや、落ち着け…女の子同士だ、問題は無い…

慌てるあたしを、どうしたのかと見つめてくる麗ちゃんに

申し訳なさと興奮を覚えてしまうのだった



そうやってあたしが一人で興奮している間に

十数分が過ぎ、お風呂が沸き、待望の入浴に…!


「おお…」

「あ、あの…美遊様…じろじろ見られると、恥ずかしいのですが…」

タオルで隠されてはいるが、隙間から見える白い麗ちゃんの肌

そして、全体の輪郭…第二次性徴がはじまったばかりと思われる身体

羽化していくそれは、大人とは違った意味で艶めかしく…


「あ、ああ、うん、ごめんね!」

いかん、見惚れててはいかん…踏み外してしまう……

落ち着け…平常心平常心…


「あ、美遊様、お背中流しましょうか」

「うん、お願い~」

「わたくし、一度流す側やってみたかったんですわ」

お嬢様!

そーだよねー、前世は流される側の人だよねー


「~♪」

麗ちゃんが、優しい手つきで、背中をごしごししてくれる

その感覚が、あたしを優しく幸せな気持ちに導いていく

昔、小さいころにお父さんの背中流したことあるけど

お父さんも、こんな幸せな気持ちだったんだろうか


「あ、水着の跡が…美遊様は全身を焼くお方ではないのですね」

「あー、いやその…」

「?」

「ち、乳首が黒くなって、戻らなかったら嫌だなーと思って…」

「美遊様、意外とそういうとこ気になさるのですね…かわいいですわ♪」

「む、むぅ…」

普段はあたしが麗ちゃんをかわいいかわいいしてるのに

たまに逆転されてしまう


「でも、白い肌も素敵でしたわよ」

麗ちゃんが言ってるのは、前に見せたコスプレ写真のやつかな


「あー…翔ちゃんに聞いて知ってると思うけど

 あたし病気してた頃に髪の毛の色素が無くなっちゃって、髪の毛白いんだよね」

まさに、真っ白に燃え尽きた感じだった

どっかに有名ボクシング漫画のマネして

丸椅子に座って目を閉じてる写真もあったはず…


「はじめはちょっと落ち込んだんだけど…

 でも、白の方が色々染めやすいって聞いてさ」

そう、まるで白いキャンバスのように


「どうせなら色替え楽しもう!って思って2Pカラーにしたんだよ」

「2P?」

「あはは、格闘ゲームの用語言われてもわかんないか」

「…そ、それはひょっとして、集団えっちの話ですの?」

「違うよ?!3Pとかのそれじゃないよ?!」

久しぶりに来た…天然ドスケベむっつり令嬢…!


「白髪白肌の白美遊ちゃんはレア1Pキャラなので、会うと一日幸せに過ごせますぞ」

「…よくわかりませんが、わかっておきますわ」

うんまあ、格闘ゲームの説明は大変だし、今はなんとなくでわかって欲しい

また今度一緒に遊ぼう

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