エンス

小森大吉

第1話 プロローグ


2135年、人類は金属から人型の人工生命体を作り出すことに成功した。金属とはいっても肌の色が銀色であったり、ロボットのような機械的要素は無い。どこからどう見ても普通の人間と変わりない見た目をしている。唯一違う所があるとするならば手足を自由に見て記憶した物に変形させることができるということと、血液の色が青色という点だ。

最初の1体を作り出した研究者達はそれに対し自分ら人類をホモサピエンスと呼ぶことから「エンス」と名付けた。新しいエンスの開発が大量に行われつつも、人類と同じ繁殖能力があったエンスは次第にその数を増やしていった。やがて第2の人類として世界中の人々に認知される頃には地球上の10000人に1人はエンスだと言われるようになった。

そしてそれから時は流れて2175年、地球上の1000人に1人がエンスだと言われるようになったこの年、エンスによる大量虐殺が起きた。

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