姐さんギャルの使い魔
いぬがさき
第1話 プロローグ
「やっぱイタズラかー・・・」
4月某日、夕焼けでオレンジ色に染まる放課後の教室で、俺は独りごちる。
分かってはいたものの、認めた上で口に出すとやはり虚しい。
事の発端は、俺の靴箱に今朝入っていた一枚のメモ用紙。
可愛い花の模様が縁取られたそれには『放課後、教室で待っててください』と、可愛い文字でシンプルな文章が記されていた。
宛名(俺のはずだが)も差出人も不明。
その時点で九割イタズラ、一割靴箱間違いの可能性が高かったが、俺も思春期真っ只中の男子高生、一割以下の奇跡に望みを賭けて、こうして教室で待っていたのだ。
「・・・帰ろ」
賭けには負けた。
だが、今朝から放課後まで夢をみる事ができた。
外面内面共に平凡な自分にとって刺激的な一日になったじゃないか。
そう自身に言い聞かせ、帰宅する為に教室から出ようとした。
その時だ。
「
男勝りな口調とは裏腹に澄んだ声を響かせ、
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