賢い赤ちゃん
朝起きるといつも静かな屋敷が騒がしかった。
最近、ベビーベットから自力で出られるようにはなったけど、いまだにドアを自力で開けることができないので誰かが開けてくれるのを待つしかない。
いったい何が起きているのだろうか?前世の経験上普段と違うことが起こっているときは良くないことが起きている場合か何かしらのイベントがある場合の2パターンだったのだが、良くないことでないことを願おう。
待つこと5分(体感のため全く正確性に欠ける)ドアが開いた。
「あら、もう起きられていたのですね。」
「あい!」
「お返事をできるようになってえらいですね。ですが、勝手にベットから出てきてはいけませんよ。落ちてけがをしてしまわれると皆さんがとても悲しみますからね。」
いつも通り、怒られてしまった。しかし、いつも起きたらベットから降りたくなるのだから仕方がない。いつも言われてから1人で降りてはいけないと言われていることを思い出すのだから。ちなみに僕の普段寝ているベビーベットは日本のベビーベットと同じように僕がつかまり立ちをした際にちょうど顔の下ぐらいの位置に布団があり、布団の周りには僕がばんざいしても届かないけど一緒に寝ているぬいぐるみを踏み台にすれば手が届く高さ高さの柵で一周おおわれている。おそらく、ベットまでが40㎝から50㎝、60㎝から70㎝ぐらいだと思われる。
「そう、悲しそうな顔をしないでください。別に怒っている訳ではありませんからね。それよりもお着替えをいたしましょうね。」
「あい。」
着替えをするといつも通り抱っこでダイニングまで移動する。何度か歩いて移動したいと訴えて歩かしてもらったんだけど、階段を下りる必要があるから部屋を出てしばらくすると再び抱っこされた。なので、階段を下りたところで歩きたいと訴えると降ろしてもらえたんだけどすぐに父親がやってきて、父親の抱っこで移動した。違うと全力で訴えたのにあやされてしまった。それからは一度も自分で歩いていくと訴えてはいない。
考え事をしている間にダイニングについてようだ。
「今、ご飯をお持ちするのでしばらくお待ちくださいね。」
「あい!」
僕は両手を上に上げて返事をした。
家族は僕が起きてくる前にご飯を済ませているみたいで朝ごはんの時は僕の他にご飯を食べている人はいない。
ご飯を食べ終わると僕が寝ている部屋に連れていかれて着替えさせられた後に絵本を読んでもらえる。どうやら文字の勉強を兼ねているみたいだ。なので、時々絵を指差して「これが○○です。」と言われたり、「これは何でしょうか?」、「○○はどれでしょうか?」と聞かれたりする。「これは何でしょうか?」に対しては舌がうまく回らないこともありうまく発音ができずなかなか正解しないが、「○○はどれでしょうか?」は今のところ全問正解である。
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