のんびり気ままな生活を
カエル
プロローグ
謝罪と転生
「本当に申し訳ない。」
真っ白な服を着た若者のようにも老人のようにも見える人に僕は土下座をされています。
「頭をあげてください。なんで僕は謝られているのでしょうか?」
「そうじゃの確かに君は何も分からぬまま死んでしまったんじゃよな。」
「死んだんですか?僕、家のベットで寝てましたよね?もしかして何か災害が起こりましたか?それとも自覚症状がないけど実はとても病が進行していて死にかけだったとかですか?」
僕はとっさに思いついた死因を聞いてみた。
「いや、違うぞ。災害が起きたわけでもないし、君の体はとんでもなく健康体じゃったぞ。」
「それじゃあなんで?」
「ワシが君に興味をもっての。君の過去を知りたいと思ったんじゃよ。そこで、本来なら死んで魂がここに来たときにその魂の記憶を全て、それこそ本人が覚えてない記憶まで見ることができるんじゃがな。待つことができなかったんじゃよ。」
「え~と、もしかして僕はあなたが僕の記憶を見たいがために死んだんでしょうか?」
「そうじゃが、そうじゃないんじゃよ。」
全身を使って違うと伝えようとしているのがよく分かった。
「それじゃあ、どうしてですか?」
このままだと理由を教えてもらえないような気がしたので強い口調で聞いた。
「本当は君が寝ている間に君の精神に入って、君の記憶を覗くつもりじゃったんじゃがの…。君の精神から出てここに戻ろうとする際にちょっとした手違いで君の魂もここに持ってきてしまったんじゃよ。」
真顔で自分は何も悪くないという雰囲気を出し始めた。
「…。」
「そんなまるでワシが悪いみたいに見ないでくれ。なんか、ワシが悪いみたいじゃないか!」
まさかの逆ギレされた。
「はぁ。僕はこれからどうなるんですか?」
「これからか…。そうじゃの、とりあえずここにこれ以上居られるとワシが反省文を書かされて、減俸とお説教部屋に入れられるからの。」
「…。」
「それは嫌じゃ!というわけで君を今すぐ現世に送るとしよう。とはいえ、君がいた世界に戻そうにも君の体はすでに火葬されてしまっているし、何よりも君は神々が持っているデ-タに載っているよりも圧倒的に短い生であることと死んだにも関わらず魂が見つからないことに何か緊急事態が発生したのではと判断した上位神達が調査に乗り出していてあの世界に戻すとワシがやったことがバレるから不味いしな。」
なにやら1人でいかに自分が怒られないか、自分がやったことがバレないかを考え始めた。
「よし、迷惑料として火、水、風、土、無の基礎5属性と光、闇、聖の特殊3属性の魔法を使えるようにしてやろう。ついでに世話してくれる人がいる場所の近くに降ろしてやろう!」
「え!」
「それじゃあな!できれば後数百年はここに来ないでくれ。それじゃ、頼んだぞ!」
何もよく分からない間に自己完結して僕は現世に放り出されてしまった。
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