応援コメント

第35話 可憐」への応援コメント

  • おー(´・∞・`;)この腕相撲大会、そんなカラクリが…

    いろいろ、たくましいノワラ(´・∞・`*)

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ノワラは生活力が高い、というかいろんなところで頭が回るようです!

  • 四角い顔!味は…まろやか~
    とか思ったヤツは昭和オヤジ。オッス!

    ノワちゃんどこまで勝つか?

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    元ネタがわからなくてごめんなさい(笑)!

  • こうゆうの待ってました🎵( *´艸`)

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    力解放の時!!


  • 編集済

     作者 武緒さつき♀

       第35話 紅蓮の口撃
    「お嬢さん、参加するのは構わないけど、これストリートの本物のワルが集まるMCラップバトルだよ?」

     主催と思われる、蝶ネクタイをした男が問い掛けてくる。

    「わかってるわ! 別に参加条件とかないんでしょ?」

     私は人だかりから前へ進み出て逆に主催へ問い直す。

    「条件はないけど……、女の子だからってハンデとか付けられないよ?」

    「それもわかってるわ! ほらほら、あと1人で締め切りだったんでしょ? これで始められるじゃない?」

     私が主催を説得していると、その後ろから縦にも横にも大きい男の人がぬっと現れた。顔の形含めてすべてが四角形を思わせる人だ。

    「いいじゃないか!? 可愛い子が1人くらい混ざってる方が盛り上がるだろうよ!?」

    「あら? おじさまわかってらっしゃる! その通りよ、主催さん!」

     主催の男は、笑顔の私に目を合わせて頷いた。

    「怪我しても責任とらないからね?」

    「それも大丈夫! それじゃ最後の1人は私で決まりね!」

     こうして私は、たまたま見かけた王都ORBMCバトル大会に出場することができたのだ。

     一応は、女の子なのでお仕事の荷下ろしを除いて、できるだけ目立ったところで力を振るわないようにしていた。身の危険を感じた時は別として……。

     だけど、今回――というか、今日はなんていうか、思い切り口撃を使いたい気分になっていた。

     アメシストさんから、王宮の裏の話を聞いて心の中がなにかもやもやしていた。それをどこか発散できる場所を無意識に探していたのかもしれない。

     なんであれラップバトルだったら、口先を振るうのに遠慮はまったくいらないもんね。全力でいくわよ、ドリゼラ・トレメイン!

    「それじゃお嬢さん、参加費用の銀貨5枚もらうよ?」

     主催の人が参加費を回収にきた。彼が手に持っている麻袋に銀貨5枚を入れる。

     このMCバトル大会のルールはとても簡単だった。参加費用は銀貨5枚、参加人数は8人でトーナメント方式、最後まで勝ち残った人が金貨3枚を手にする。
     勝敗は観客の声援の大きい方で決まる。
     誤魔化すことはできない。

     金貨1枚の価値は銀貨10枚と同一。つまり、主催は8人から銀貨5枚を回収するので40枚手に入れたことになる。優勝賞金の価値が銀貨30枚と一緒なので、人さえ集めれば主催者は無条件に儲けられる仕組みだ。

     だけど、どうやら今回はもう少しおまけの要素もあるらしい。

     銀貨を払うと主催の人が私の手にピンクの組み紐を巻いた。他の参加者にも同様に、それぞれの色の組み紐を巻いている。よく見ると、色ごとの対戦表がすでにでき上がっていた。
     そして、この会場のすぐ隣りでどうやら優勝予想の賭け事を催してるようだ。色で区別して予想をしているみたい。

     こんな光景を見ると、頭の回転がいいドリゼラちゃんは気付いてしまいます。

     この腕相撲大会の参加者には、間違いなく主催者が連れて来た「ラップの王者さん」が混ざっています。彼に優勝させて、掛け金含めてがっぽり儲けようという魂胆かと思われます。

     主催者さんの目のやり方を見ていたら、そういう人がいるのもすぐわかりました。余程のことがない限り負けない自信がある人を連れて来たんでしょう。

     余程のことがない限り、はね……。

    「はいはい! それじゃ1回戦を始めますよ!」

     私は自分のピンクの組み紐と同じ色の印の付いた酒樽の前に立った。すると、それを挟んで向かい側に、さっきの四角いおじさんが立っていた。 
     それぞれに魔導マイクを渡す。

    「お嬢ちゃん! 1回戦からオレと対戦なんてついてないなあ!?」

    「さっきはありがとうございます、おじさま! お手柔らかにお願いしますね!」

     「おーい、おっさん!煽られてるぞー!アンサーしろー!」

    「悪いけど、オレはどんな相手でも勝負事では一切手加減しない主義なんだ。まあ、泣き面にだけはさせないようにしてやるよ?」

    「対戦者同士、魔導マイクを握って下さいね! 先攻!悪垂れガンツ!12小節の3ターン!」
     「レディ!ファイト!」


     主催者さんの合図で四角いおじさんがラップで悪態をつきはじめる。
     四角さんが終わるとワタシのターン、12小節全部韻を踏んでやった。

     そのとき、おじさんの顔つきが明らかに変わった。
     「こ、コイツ只者じゃねえ!」

     私も経験あるんだけど、ラップ強さって対面したときに、ある程度わかるものなのよね?

    「ヒャヒャ!お嬢ちゃん……。いや、あんた! かなりできるな!?」

    「おじさまが言った通りyo〜、可愛い子が混ざってる方が〜盛り上がるわよね!ユアアンダスタン!」

    「それでは……、判定に入ります!」

     「悪垂れガンツ!」

     wa〜

     「なりそこない王妃ドリゼラ!」

     WWWA〜!
     
     「勝者!なりそこない王妃ドリゼラ!」

     ――木材を強い力で叩く音があちこちでこだました。
     すごい歓声である。

     私の右手は、魔導マイクを天にかかげ、勝利の雄叫びを上げる。

    おじさんの手は悔しさのあまり体ごとよじりながら酒樽の天板に叩きつけられていた。

     そこから、かすかに木の粉が立ち上っている。

     おじさんの顔は目玉が飛び出るかと思うくらいに見開いていた。

    「なっ……なんてリリックとバイブスだ…」

    「失礼ね? 誰がブスやねん!」

     誰も突っ込んでくれなかった。

     「おい、なりそこない王妃ドリゼラって、あのドリゼラか?」

     「妹をさんざんいじめ抜いた挙げ句、妹になりすますために踵を切り落としガラスの靴を血まみれにしたという。血塗れのドリゼラ!」

     「オイ!筋金入りのワルじゃねえか、ガンツごときがかてるはずがないぜ!」

     「俺はドリゼラに賭けるぜ。」

     「俺もだ!」「おれも!」

     ドリゼラのオッズは限りなく1.0倍に近づいた。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    倍率元払い、驚異のお姉さま。

  • ノワラちゃん一本勝ち!
    誘拐以降、ちょっともやもやしていた気分が、
    スカッとしました(`・ω・´)

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    ノワラちゃんも、もやもやを晴らす機会を探していたようです。
    内に燻ぶった力(物理)を思う存分発揮してくれます。