お前の気持ちを教えろ!

かいとも

お前の気持ちを教えろ!

 <この作品は自殺を誘発していません。

 自分は誘発していないと思っていても、人それぞれの思考があります。

 誘発していないと分かったうえで読んでください>

____________________________________________



「アルおはよう」

「おはようございます…」

「朝ご飯食べ終わったら、アラン様に昼ご飯と夜ご飯貰いに行くけど、ついてくる?」

「いや…行かない…ごめんなさい…」

「大丈夫だよ。

ゆっくり休んでいてね」


「いただきます!」

「いただきます…」


「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさまでした…」


「行ってきます!」

「行ってらっしゃい…」


 アル…元気にならないよな…

 親が死んでしまったんだから…

 親が死んだら誰も悲しむ…

 助けれなくてすまないと思っても…なにも出来てあげれない…

 自分が嫌いだ!アルの両親を…いや…死んでいった者達を助けれなかった…


 <数日前にアラン国は、魔物の大群が攻めてきた。

 国を守るために戦った者は多く、死んでいった者達もいる>


 <アランは教会の奥まで向かっていった。

 奥の部屋には看板があった。

 アラン国の神の部屋>


「アラン様、メイルです」

「入っていいぞ」

「失礼します」


「おはようございます、アラン様」

「おはよう、メイル。

アルの調子はどうだ?」

「元気が無いです…」

「そうか…メイル、話しに付き合って貰えるか?」

「大丈夫です」

「自殺についてどう思う」

「自殺ですか…勇気がいる行動だと思っています」

「なぜだ?」

「自殺をしようとしても、生きてしまうかもしれない。

飛び降りたとしても、生きてしまうかもしれない。

骨は完全に折れている、全身の痛みが体を襲う。

毒を飲んだとしても、苦しみながら死んでいく。

刃物で刺そうとしても、刺す所が悪ければ生きてしまい、苦しむ。

刺した苦痛が襲ってくる。

死んだ時になにが起きるか分からない。

です」

「そうだな。

死ぬ事に失敗すれば、苦しみが襲ってくる。

自殺をしなければよかったと思うかもしれない。

だがな、考えた事はあるか?

死んだ姿を見た者はどうなるのか」

「トラウマ?」

「そうだ。

誰かが死んだと聞けば、可哀想だと思う。

だが、見た者はその光景が頭から離れない。

昔の事を思い出す事があるだろ?

それが、死んでいる人間の光景が出てきたら…

寝ようとした時に光景が出てきたら?

ご飯を食べている時に光景が出てきたら?

楽しんでいる時に光景が出てきたら?

自殺をした本人のせいではない。

自殺をしようと思わせた奴が悪い、だが。

自殺をしたあと、迷惑をかけてしまう人間は必ずいる」

「なぜこの話を?」

「お前だって分かっているはずだ。

アルだって自殺を考えている。

子供が大人に迷惑をかけないように、話さない。

大人は自分の口で言って欲しいと思っているそれは…」

「聞こうとして、思い出したくない事を思い出させてしまうから」

「そうだな」


 <邪悪なオーラが出たのを、メイル、アランが気づいた。

 気づいた…じゃない。

 俺が出たぞと2人に知らせた>


「メイル行け!

あいつが最後のチャンスをお前にくれた!」

「分かっています!」


 <メイルは走り続けた。

 アルの家まで走り続けた>


「アル!」

「メイル…さん…」

「チャンスをくれてありがとう!ヤミミ様」

「ヤミミ様?チャンス?どういう事です!殺してください!」

「俺様は死にたい奴を殺す…だが…アルお前には、生きたいという気持ちもある。

だからメイルにチャンスをあげた、そのチャンスで、お前を殺すか決める」


 <ヤミミ 死神

 死にたいと本気で思った者を殺す。

 死にたいと本気で思っていても、生きたいと思っている者がいたら、呼んだ者の支えになっている者にチャンスを渡す。

 支えになっている者と、現れた場所の神に知らせる>


「アル…俺は信用が出来ないか?」

「信用しています!」

「なら…なぜ相談しようとしない!

両親が死に何をすれば言いか分からない。

自分も両親の所に行きたい。

そう思ったんだろ?」

「…」

「お前の両親は来て欲しいと思っていない!

お前が楽しく生きている所が見たいはずだ!

俺だって子供をもったらそう思う!

自分が幸せになっていいのか…何て思うな!

お前のその命は、両親が作った命だ!

お前が幸せなら両親だって幸せになる!

お前の気持ちを教えろ!生きたいのか、死にたいのか」

「…生きたい!」


 <アルが「生きたい!」と言うとヤミミは消えていった>


「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

「泣け、謝れ、お前が思っている事を俺に伝えろ、俺にぶつけろ」


「アルは生きれたんだな」

「当たり前だ!と言いたいが分からんよ…

心の傷は、深く奥深くへと進むと、直せなくなってくる。

両親が亡くなれば、どれだけ奥深くへと行くか分からない」

「殺すのはやっぱり嫌か?」

「嫌に決まっている…」

「親に相談しようとすると、全部言わなくちゃ!と思ってしまう。

その思いのせいで相談が出来ない。

ちょっとだけでもいい、ちょっとずつ相談してもいい、待ってくれる。

口で相談したくなかったら、紙に書いたっていい。

親に迷惑をかけたくないと思ってしまうなら、大人に相談すればいい」

「どうしたんだ?急に」

「いや…言いたくなっただけだ。

相談出来ない大人は0人ではない」

「そうだな」



____________________________________________

 かいともです。

 読んで頂きありがとうございます。

 自殺。

 皆さんは考えた事はありますか?

 自分は無いです、死にたいと思っても、勇気が出ないんです。

 ですが、勇気が出て自殺をしたとしても、必ず迷惑をかけると思います。

 現実の方がいいかもしれませんが、異世界で書かせていただきました。

 最初はこの短編を書きたくありませんでした。

 ですが、会話が脳にへばり着いていて、忘れたくても忘れられません。

 他のタイトルの続きを書くために考えていたのに、脳から出てきたんです。

 忘れたくても忘れられませんでした。

 突然ですが電話相談がありますよね?でも、話したくない人もいると思います。

 アランが喋った文にあるんですが。

 「紙に書いたっていい。」

 ちょっとずつ、ちょっとずつ、紙で親に伝えてもいいと思っています。

 自殺を考えている方、死にたいと思っている方。

 本当に相談出来ないのか考えてみてください。

 口で言うのが嫌なら紙に書いて渡しましょう。

 ふざけていると思わないはずです。

 ネットで叩かれると分かっていますが、書かせて頂きました。

 脳が会話を出してきて、寝ようとしたのに眠気が消え…

 何故か手が動き、いつもの物語よりスラスラ書ける…意味が分からない!

 ここまで読んで頂きありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お前の気持ちを教えろ! かいとも @kaitomo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ