らすとげーむっ!えんじとですげーむ(4)
参加者のロールがルーレットで決まる。決定結果は
「さて~おにですか~いっけんゆうりそうではありますがはてさてかてますかね~まあものはためしでさわっていきますか~」
胡桃は船の中でも一番客層が集中しているホール内に初期地であったため近くにいた客や従業員を触れて回る。
そしてそのホールにいた全員を触り終えたとき配下は数百人となり胡桃親衛隊までもが創り上げられていた。
「では~みなさんにおねがいします~さいしょのめいれいは~のこりじかん八分までに~まだはいかとなっていない人たちぜんいんをわたしのもとにつれてきてください~」
『かしこまりました。』
胡桃の命令を聞き全員散り散りにホールから出てはまだ胡桃の配下となっていない客や従業員を片っ端から拉致していく。
「これは~さいしゅうてきになんにんになるんでしょうね~」
一方そのころ甲板に飛ばされた黒川は近くに武器が落ちていないか辺りを見渡していた。
「ないわね~……あった!これでしょ!」
黒川が手にとったのは両手に収まるほどの大きさの箱だった。それに黒川が開けようと手を伸ばした時自動で箱の扉が開き中身が見えた。
「これが……武器か。」
黒川は中に入っていた武器を取り出す。取り出した中身はミネベアミツミ ニューナンブ M60と呼ばれる警察などが所持していることがあるリボルバー式の拳銃が現れた。
「これが武器となるのか。それでこっちがホルスターか。」
黒川は一緒に入っていたホルスター腰に装着しそこに銃をしまう。
「さて、この調子で武器を集めていきましょうか。」
各々が着々と準備を進め残り時間が八分に差し掛かろうとした時胡桃の準備が完全に完了した。
「やっとわたしのぐんたいがかんせいしましたね~さてみなさん~じゅんびがととのいましたので~そろそろけっちゃくをつけにいきましょうか~」
『おおおーーー!!!』
船全体に響き渡る歓声の声。その声が聞こえないところはなくもちろん黒川の耳にもハッキリと聞こえていた。
「とうとう向こうも準備が整ったみたいね。さて胡桃ちゃん全力で行くからね!」
黒川は武器を手に持ち歓声が聞こえた方向へ進んだ。
「みなさんかくじみつけたらおおごえでごほうこくおねがいしますね~」
『わかりました!』
胡桃はスタート地点から動く様子を見せず椅子に座って頬杖をついていた。そんな胡桃に近づいてくれ男が一人。
「ご報告します女王!現在屋上プールエリアでターゲットを発見。数の有利を生かして包囲しながら追い詰めてはいますが相手も武器を持っておりこちらの損失も甚大です。相手はこちらの包囲をかわしながらこのホールを目指して進行中です。いかがいたしましょう?」
「……。ぜんいんここまでさがらせて~ターゲットをここまでつれてきてください~」
「かしこまりました。」
二分後配下にした全員が戻ってきたが人数は全体の三分の一まで減少していた。そして配下たちと一緒に入ってくる形で全身武装している黒川が入って来た。
「くろかわさんおひさしぶりですね~」
「ええ~久しぶりね胡桃ちゃん。」
「まさかたったの三分ほどで三分の一までけずられるとはおもいもしませんでしたよ~」
「まあね。……さて胡桃ちゃん?残り時間が後三分ほどだけど私と勝負する?」
「それだけのじしんがおありですか~……どのみちもうじかんもなくあなたににげられたりかくれられたりされるとまけがかくていしちゃいますのでおうけしますよ~」
「そう来なくっちゃ!私初めてあなたと会った時から何の因果か本気で戦うんだろうな~ってそんな予感がしていたのだけれどまさか当たっちゃうなんてね。」
「おんなのかん、ってやつですかね~」
「そうかもね。さ!時間もないことだしやりましょうか!」
「ええ。」
胡桃は椅子の上に上り全員に自分の声が届くようにする。そして……
「すー……ぜんいん!そうこうげきかいしです~!」
胡桃の合図がかかり全員で一斉に黒川に襲い掛かる。黒川はそれを銃でさばいたり爆弾を投げたりして退けていく。
ただ黒川が一方的な虐殺を繰り広げていても胡桃の軍勢は恐れも衰えもすることなくゾンビ特攻を続けている。
「くっ!しつこい!」
着実に胡桃のいる場所までは近づいて行ってはいるが配下が肉壁となって進路を塞ぐ。
(くっ!本当にしつこい!全然胡桃ちゃんの所までたどり着けない。せめて姿だけでも確認しないと……!)
黒川の一番恐れていることはこの波に紛れて自分に触れられること。だからなるべくどこに鬼がいるのかを把握しておきたいし自分に近づけさせない。
ただ数の暴力、どんどんと配下たちに距離を詰められていき配下たちに触れられる距離まで近づかれた。
「あ~もう!邪魔!」
武器の弾とありったけの爆弾を使い玉切れになるまで撃ち続けていた。そしてとうとうリロードを挟まなくてはならなくなってしまいからの弾倉を地面に落とした時だった。
黒川の潜在能力である危機察知能力、ただ気づいたときには一足遅かった。
多くの配下たちから注がれていた敵意が黒川の感覚を鈍らせていたのか、胡桃は黒川の懐まで潜り込んでおり、みぞおちを狙い手が伸びて触れてしまった。
そしてそれと時を同じくしてタイムアップの知らせが届いた。
『終了で~す!!お二人ともお疲れさまでした!最後の最後での大逆転劇手に汗握るものがありましたね~さて勝者の方を発表しましょうか!勝者は~胡桃様です!おめでとうございます!これにより胡桃様チームも二点を獲得し同点のままラストゲームへと持ち込まれました。ラストゲームが今から楽しみです。さていよいよ皆様お待ちかね!罰ゲームの時間です。今回のゲーム題材は爆弾鬼ごっこ、やはりそれにちなんだ罰ゲームが適切ですよね!ですのでこの船ごと一緒に大爆発してもらいま~す!胡桃様は勝者なので今から転送しますね。ジャンプに備えてください。……ジャンプ完了です!それでは罰ゲームを始めましょう。盛大に爆発してください!』
ピッ!という音と共に船内のいたるところから爆発が起きていき最終的に大型船がまるごと大爆発した。
『とても綺麗な爆発でしたね!それではいよいよお次がラストゲームです。泣いても笑っても次がラストなので最後のお二人は頑張ってください!』
「部長!
「はあ~わかってるよ。あいつらの仇をとって絶対に生きて帰って来てやるよ!」
「頑張ってください!部長!」
黒川の死が大打撃だったらしい内調チームは部長である
「おつかれさまくるみ!」
「おつかれさまです……」
「ありがとうございます~お二人とも。……いよいよですねふみやくん。」
「ああ!」
「がんばってくださいね、おうえんしてますから~」
「わ、たしも、おうえんしています……」
「ふたりともありがとう!がんばってくるよ!」
チームの思いを一心に受けながらいよいよ最後の大将同士のゲームが始まる。
『それでは第五ラストゲームの出場者の準備が整いましたのでジャンプを開始します。出場者のお二人は目をつぶってジャンプに備えてください。それではジャンプします。』
これが最後のジャンプ、飛ばされた
『それでは第五ゲームについてご説明しますね。ゲーム名は叩いて被ってじゃんけんポンです。ルール説明です。まずはじゃんけんをしてもらいます。勝った方は武器を持って相手を攻撃できます。また負けた方は盾を持ち身を待ることに集中してください。先に相手を殺した方が勝ちとします。また勝者に与えられる武器所持時間は十秒間です。何かこのゲームのことについて質問があればお答えします。』
「聞きたいんだが、俺の知っている叩いて被ってじゃんけんポンとずいぶんルールが違うようだが……」
『それはこれがデスゲームだからです。普通の叩いて被ってじゃんけんポンじゃ死人は出ませんからね。決着がつかないのでルールを少し変更させていただきました。』
「そういうことか……」
『他にご質問はございますか?……ないようですのでこれより第五ゲームを開始します。それではお二方位置についてください。』
二人は拳一個分まで近づきじゃんけんを始める。
「坊主、死ぬかもしれないのに本当にやるのかい?」
「ん?あたりまえじゃん!それにおれはしなないよ!ぜったいにかつから!」
「そうかい!じゃあまあ少し痛い目を見せてやろうかね。」
『それでは始めてください。』
「せ~の」
「「叩いて被ってじゃんけんポン」」
叩いて被ってじゃんけんポンとは実際反射神経がものを言うゲームだ一早く自分の武器を取り攻撃、または防御を取る。
そして今回勝ったのは文也だった。文也は勝った瞬間、流れるように武器、文也の手にも収まるほどのナイフを取って長谷川の左横腹目掛けてナイフを刺そうとする。
何も反射神経では文也に勝つことはできなかっただろう。しかし文也と同じで長谷川も数多くの修羅場をくぐり抜けており、反射神経もそして殺し合いも文也以上に場数を踏み鍛え上げていたため文也の手首を押して軌道をずらさせてがら空きの文也のみぞおちに膝蹴りを食らわせた。
「ぐっ!?」
ナイフは落ち胃の中にあったものをすべて吐き出して蹲る文也。それを見下ろす形で長谷川立っていた。
「悪いな坊主。こっちも負けられないんでね。」
「だ、い……じょう…ぶ……。」
明らかに無理をしている顔ではあるが文也は立ち上がりじゃんけんをするという意思を見せる。
「ふっ、じゃあ行くぞ~叩いて被ってじゃんけんポン!」
今回は遅かった。結論を言うと文也の勝ちだったのだが文也はナイフを持つなりうずくまってしまった。
「おいおい坊主勝ったんなら攻めてこないと勝てないぜ?」
「うるさい!よし!もうへいき!じゃあいくよ!」
「お?もういいのか?じゃ~あ」
「「叩いて被ってじゃんけんポン!」」
手が出た瞬間に行われた一瞬の出来事。勝者は長谷川勝つなりロングソードを拾って盾を拾おうとしている文也の左腕ごとバッサリと斬り飛ばした。
「ぐあああぁぁぁ――――!!!」
左腕をおさえて蹲り続ける文也、それ以上の追撃を長谷川はしてはこなかった。出血多量だけでも十分死に至る要因になっているため九割型長谷川の勝利に傾いてるためである。
「坊主早く止血しないと出血多量で死んじまうぞ?」
「うっ、くう……―――」
「まだ諦めないか……。」
長谷川に向け拳を突き出す文也、彼の目はまだ諦めてはいなかった。
「叩いて被ってじゃんけんポン」
言う力も残ってはいなかったが何とか勝つことに成功した文也は武器を取り投げつけた。が、軽く盾であしらわれ文也の攻撃タイムは終わってしまう。
「さて次といこうか。叩いて被ってじゃんけんポン」
文也は負け頑張って右手を伸ばそうとするが左足を斬り飛ばされてしまう。
「があああぁぁぁ―――!!!」
「もう諦めろ坊主、早く負けを認めちまえ。」
説得するかのように文也に問いかける長谷川だが自分で右足を最低限の止血をした後再び手を突き出した。
「ちっ!くそ、やるぞ。叩いて被ってじゃんけんポン」
文也は血を大量に失ってしまったせいで意識がはっきりと保てずグーから変わることはなかった。当然長谷川はパーを出し文也の右足を斬り飛ばす。
「あがっ!?アアア―――!!!」
「……ここまでしてもまだその目は死なないのか……。」
文也は両足左手と失い、出血多量普通の大人であってもここまでされればショック死などにより死んでもおかしくないが文也のはまだ勝ちを諦めていなかった。
「……はあ~、坊主これが最後だ。俺は負けてやるから好きに攻撃しろ。」
「叩いて被ってじゃんけんポン」
長谷川わざとチョキを出し文也に負けて上げた。正直長谷川は一撃だけなら受けてあげてもいいと思っていた。その驕りを文也に突かれてしまった。
「は?」
長谷川は盾を取らず腕を組んで棒立ちしていた。棒立ちしたまま胴真っ二つに切り払われてしまった。
脳細胞が一瞬の出来事だったがために止まっておらず視界が反転する中でも見えたのは長谷川の身長ほどもある巨大な大剣を右手を口で支えて薙ぎ払った姿だった。
『ゲーム終了で~す!!!すごい!!すごいです!!文也様による超大逆転劇!胡桃様と続きとても素晴らしいものが見れました!そしてとうとうこの五人対五人のチームデスマッチも決着を迎えました!栄えある勝者は~!!ラストゲームを勝利に収め三点を獲得した文也様チームでした!!おめでとう!それではまた次回のデスゲームでお会いしましょう。ばいば~い!!!』
文也たち一同が再び目を覚ました場所はゲームが始まる前にいた胡桃宅だった。
「お、おれは……」
「あれ?俺真っ二つにされて死んだはずじゃ……」
「うっ……」
「部長!それに謙吾に黒川さんも!みんな生きてるじゃん!」
「ああ!!」
「あん?やっぱり坊主の能力内で死んでも現実世界では死なないのか?」
「み、みたいですね……」
長谷川たちは反対の椅子に座り喜び合っている文也たちを見た。
「よっしゃ!!かったぞ~!!」
「さすがですねふみや。」
「ぜったいにかつとしんじていたゾ!」
「さいごはともかっこよかったですよ~」
「うん……!」
「へへへ~ありがとう!」
「坊主、少し聞きたいことがあるんだがいいか?」
「うん?」
文也は首を傾げて長谷川を見る。
「あの最後あれは計算していたのか?」
「ん?いやぜんぜん?しょうじきあ~まけちゃうな~っておもってたらおじさんがゆだんしてたのでこうげきしただけだよ。」
「は、ははは、ふはははーーー!!そうかそうか、いや~そうだな。獲物にとどめをさす瞬間が一番油断している時だと師匠に教わったがまさか坊主にそれを教わるとはな。くくく」
「???」
「いや~笑ったよ。それで俺らは坊主が始めたゲームに負けてしまったわけで坊主の要求はすべて聞くつもりだ。どうする?」
「あ、えっと……」
文也は最初から考えていた。もし勝てたら自分のことをどうするつもりだったのかをこの人たちに聞こうと。そしてこれからの将来のことを考えるためにもこの能力と向き合おうと。
……………………
そして月日は流れ半年後。
「せいれーつ、しょくん!なまえとばんごうをいいたまえ!」
「あやと、いちです。」
「あやかです。にーです。」
「てっぺい!さんばんだぜ!!!」
「くるみですよ。よんなのです。」
「ごばんめ、ふみや!よ~しぜんいんいるな~きょうはあたらしいですげーむをおもいついたのでそれであそぼうとおもいます!!」
『お~!!』
「よし!じゃあやろうか!!さあはじめよう!おれたちのですげーむを!!」
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