第十四話文化祭準備
「はい、今日の学活の時間は、文化祭の出し物について決めてもらいます」
「ということで実行委員の方お願いします」
そう言うと先生は教卓の椅子を持って教室の後ろへと移動していった。
それと入れ替わる形で実行委員が前へと出てきた。
「ということでクラスの出し物を決めてもらうので5分ほど4人班で話し合ってもらいます、なので机を合わせてください!」
そう言うとクラス全体はいつもの四人班の体型になった。
席替えはしていないのでほたるはゆりかとにちかとめいひと同じ班であった。
めいひが班長をやっていたのでめいひが話し合いを取りまとめようと話し始める。
「なにか案ないかなーにちかちゃんとかなにかある?」
「あたしは、廊下を使って徒競走がしたいぞ!」
「それはちょっと……難しいかな」
「めいひそんなこと言うなよ、会議では相手の意見を尊重することが大切なんだぞ!」
「そういうことは知ってるのね」
「この前本で読んだぞ」
「あ~あの図書館の時の本」
「そうだぞ! あの経済なんたらって本に書いてあって」
「ちょっとちょっと議題から離れていってるよ!」
「ごめん」「すまん!」
ほたるとにちかはめいひに注意されてしまった。
意見が出かねているとゆりかが口を開いた。
「なら、女子と男子の制服を交換して喫茶店とかどうかな? 普通の喫茶店だと面白くないし」
「う、うんいい、かも、ね」
なかなか個性的な意見が出てきてめいひも戸惑って出る口から出る言葉がカタコトになっていた。
「でも喫茶店っていう意見は良いよね」
ほたるがそう言うと二人が反応した。
「うんそうだね」「そうだな!」
一方ゆりかはどこか浮かれない顔をしていた。
「はい時間です、前を向いてください」
実行委員がそう言うと議論が終わり教室が静かになった。
「ということで意見がある人は手を上げて発表してください」
そういって出てきた意見は。
喫茶店、お化け屋敷、焼きそば店、フォトスポット、迷路、射的、の意見が出てきた。
手を上げていた人全員に当て終わり、次の投票に移ろうとした時だった。
「それでは後案はある人は居ませんよね」
「はーい」
「!!!」
ゆりかが手を上げて立った! 教室がざわついた。
「男女の制服を入れ替えて喫茶店とか……どうでしょうか……」
「あ、はい男女制服入れ替え喫茶店ですね」
意見を言いゆりかは席に座るとゆりかの顔はすっかり赤くなっていた。
すると男子たちがなにか企んでいるのかざわざわし始めた。
「静かにしてください、これから投票をします、他の人の投票に流されないようにするために伏せてもらいます」
「ということで伏せてください」
全員が伏せて誰がどの投票をしているかわからなくなったが、やたら男女制服入れ替え喫茶店の手を上げてもらっている時間が長いなと思ったほたるであった。
「顔を上げてください!」
この時クラス中がざわついた!
「静かにしてください! ということで全32人中17票が男女制服入れ替え喫茶店に投票されたので、この案で決定します!」
なぜこの案が通ったのか、それは男子たちの仕業であった。
男子がざわついた時、この時に面白がってゆりかの案に入れようという意見が広まったため、男子のほとんどがここに投票しこのような結果につながった。
「ゆりかちゃんよかったじゃん、受け入れられたみたいで」
ほたるが励ましの言葉を送るとゆりかは泣きそうな顔をしていた。
「泣くなってゆりかそんなに嬉しいのか? 意見が通ってよかったな!」
「うん……」
そこからしばらくして文化祭前日。
今日は文化祭前日準備で学校中が活気に溢れていた。
ほたるも楽しそうに準備をしながらゆりかと話していた。
「前日準備はいいね~ワクワクしてくる」
「いいよね~授業もないし、今日一日文化祭のワクワクを楽しめる感じがして」
「そういえばゆりかちゃんは誰と制服交換するか決まった?」
「うん加藤くんとになったよ」
「どっちから誘ったのよ」
「私から……」
「うっひょー、加藤くん良いよねかっこよくてもうあっちはメロメロなんじゃない」
「そんなことないでしょ制服交換するだけだし」
「だけどなんで男女で制服交換しようなんて思ったの?」
「それは、セーラー服着た男子を見てみたいから……」
「ゆりかちゃんにそんな趣味があったとはな~」「いやこれは出来心っていうか……」
「あたふたしてかわいいな~」
「も~~」
クラスの準備も順調に進み後は明日を待つのみとなった。
準備が全て完了したことを確認した実行委員はさようならをする時にみんなの前に出てきた。
「今日はさようならの代わりに円陣を組んで掛け声をかけて解散にします円陣を組んでください!」
「ほら先生も」
「あ、っはい」
実行委員の粋な計らいにより先生も含めた33人が円陣を組んだ。
「絶対文化祭成功させるぞーー! おーーーー」
ほたるは文化祭が楽しみな感情や、楽しい会話により充実感に満たされていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます